痙攣で発症したビタミンD欠乏性低カルシウム血症の1例
「はじめに」 ビタミンDの代謝経路としては, プロビタミンD3である7-デヒドロキシコレステロールが皮膚に送られ, 紫外線を浴びることによりビタミンD3になる経路と, 食事により直接ビタミンD2またはD3を取り入れる経路がある. ビタミンD2は植物性食品から, ビタミンD3は動物性食品から摂取され両者はほぼ同様の生理活性を持つ. これらのビタミンDは, ビタミンD結合蛋白(DBP; vitamin D-binding protein)と結合して運ばれ, 肝臓で25位が水酸化されて25(OH)Dとなり, 腎臓で1位が水酸化され活性型である1,25(OH)2Dとなる. よって乳児のビタミンDは,...
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Veröffentlicht in: | 函館医学誌 2006-09, Vol.30 (1), p.40-43 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」 ビタミンDの代謝経路としては, プロビタミンD3である7-デヒドロキシコレステロールが皮膚に送られ, 紫外線を浴びることによりビタミンD3になる経路と, 食事により直接ビタミンD2またはD3を取り入れる経路がある. ビタミンD2は植物性食品から, ビタミンD3は動物性食品から摂取され両者はほぼ同様の生理活性を持つ. これらのビタミンDは, ビタミンD結合蛋白(DBP; vitamin D-binding protein)と結合して運ばれ, 肝臓で25位が水酸化されて25(OH)Dとなり, 腎臓で1位が水酸化され活性型である1,25(OH)2Dとなる. よって乳児のビタミンDは, 母乳, 人工乳または離乳食の経口摂取, 皮膚での産生により決定されると考えられる. 今回, 完全母乳栄養, 日光浴不足という生活背景のため, ビタミンD欠乏となり低カルシウム血症により痙攣をきたした乳児例を経験した. |
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ISSN: | 0910-0725 |