腎細胞癌甲状腺転移の7例

「要旨」: 他臓器から甲状腺への転移性腫瘍はまれであるが, 原発腫瘍としては腎細胞癌が最も多い. 腎細胞癌甲状腺転移の自験7例を提示した. 男女比は2:5, 甲状腺手術時の年齢は54~73(中央値67)歳, 腎臓手術から甲状腺手術までの期間は3~18(中央値9)年であった. 甲状腺転移巣は3例が多発結節, 4例が単発結節を呈し, 転移巣の最大径は1.3~5.7(中央値3.0)cmであった. 転移巣の形状は6例で整, 境界は全例明瞭で1例に境界部低エコー帯を認めた. 内部エコーは全例低エコーで2例がやや不均質であった. 最大径が3.0cmを超える3例には嚢胞形成を認めたが, 他の4例は充実性であ...

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Veröffentlicht in:乳腺甲状腺超音波医学 2024-01, Vol.13 (1), p.26-29
Hauptverfasser: 村上司, 檜垣直幸, 西嶋由衣, 野口仁志, 谷淳一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」: 他臓器から甲状腺への転移性腫瘍はまれであるが, 原発腫瘍としては腎細胞癌が最も多い. 腎細胞癌甲状腺転移の自験7例を提示した. 男女比は2:5, 甲状腺手術時の年齢は54~73(中央値67)歳, 腎臓手術から甲状腺手術までの期間は3~18(中央値9)年であった. 甲状腺転移巣は3例が多発結節, 4例が単発結節を呈し, 転移巣の最大径は1.3~5.7(中央値3.0)cmであった. 転移巣の形状は6例で整, 境界は全例明瞭で1例に境界部低エコー帯を認めた. 内部エコーは全例低エコーで2例がやや不均質であった. 最大径が3.0cmを超える3例には嚢胞形成を認めたが, 他の4例は充実性であった. 石灰化を示す高エコーや頸部リンパ節への転移は全例に認めなかった. カラードプラ法で観察できた全例で腫瘍内部の豊富な血流信号を認めた. 細胞診で転移性腫瘍を疑えたのは1例のみであったが, 穿刺液のサイログロブリンを測定した2例では甲状腺穿刺にも関わらず低値であった. 超音波像は濾胞性腫瘍や髄様癌に似ているが, 腎細胞癌の既往がある場合には鑑別診断に加える必要がある.
ISSN:2187-2880