新型コロナウイルス感染症を契機に判明した小児の巨大冠動脈瘤による心筋梗塞

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の急性心不全の原因として心筋梗塞や心筋炎を主とした心筋障害があることは知られているが,小児における心筋梗塞は稀である。今回COVID-19を契機に判明した巨大冠動脈瘤を伴う急性心筋梗塞の症例を経験した。7歳女児がCOVID-19罹患後に心停止となり,蘇生後に心筋炎として加療開始した。急性期治療終了後に,冠動脈評価を行うため冠動脈CTと冠動脈造影検査(Coronary angiography, CAG)を施行したところ巨大冠動脈瘤と急性と陳旧性の心筋梗塞が判明し,抗凝固療法を開始した。ウイルス感染症急性期にdiffuse hypokinesisを認めた...

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Veröffentlicht in:聖マリアンナ医科大学雑誌 2024, Vol.52(2), pp.35-42
Hauptverfasser: 岡村, 航, 長田, 洋資, 麻生, 健太郎, 清水, 直樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の急性心不全の原因として心筋梗塞や心筋炎を主とした心筋障害があることは知られているが,小児における心筋梗塞は稀である。今回COVID-19を契機に判明した巨大冠動脈瘤を伴う急性心筋梗塞の症例を経験した。7歳女児がCOVID-19罹患後に心停止となり,蘇生後に心筋炎として加療開始した。急性期治療終了後に,冠動脈評価を行うため冠動脈CTと冠動脈造影検査(Coronary angiography, CAG)を施行したところ巨大冠動脈瘤と急性と陳旧性の心筋梗塞が判明し,抗凝固療法を開始した。ウイルス感染症急性期にdiffuse hypokinesisを認めたことから心筋炎を発症したと判断したが,心筋梗塞が背景にあったことが判明した。発症時から冠動脈瘤を認めていたことからCOVID-19で過凝固となり,急性心筋梗塞を発症した可能性が予想された。超音波による冠動脈瘤の診断には限界があり,小児の冠動脈精査には冠動脈CTまたはCAGが有用である。感染急性期の心不全であっても,冠動脈瘤や急性心筋梗塞を鑑別に挙げて冠動脈精査を加えることを検討すべきである。
ISSN:0387-2289
2189-0285
DOI:10.14963/stmari.52.35