COVID-19流行期における小児病棟の診療・治療・取り組み

当学においては,coronavirus disease 2019(COVID-19)流行開始直後から,仮設扉を用いた複数のエリアに分類された小児入院病棟の設置など,小児への流行拡大を事前に想定した診療体制の準備を進めた。その結果,小児医療従事者における職業曝露リスクを最小限に維持しつつ,広域からの小児COVID-19患者の受け入れを実現した。その内容は,小児重症COVID-19患者の入院管理だけでなく,中等症や軽症患者に対する経過観察や隔離を主たる目的とした入院,社会適応入院,親子入院,など多岐に渡った。さらに,平時より認める様々な小児疾患に対する通常医療の継続に成功した。一方で,新興感染症流...

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Veröffentlicht in:聖マリアンナ医科大学雑誌 2024, Vol.51(Suppl), pp.S97-S102
Hauptverfasser: 勝田, 友博, 文元, 礼, 新谷, 亮, 中村, 幸嗣, 清水, 直樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:当学においては,coronavirus disease 2019(COVID-19)流行開始直後から,仮設扉を用いた複数のエリアに分類された小児入院病棟の設置など,小児への流行拡大を事前に想定した診療体制の準備を進めた。その結果,小児医療従事者における職業曝露リスクを最小限に維持しつつ,広域からの小児COVID-19患者の受け入れを実現した。その内容は,小児重症COVID-19患者の入院管理だけでなく,中等症や軽症患者に対する経過観察や隔離を主たる目的とした入院,社会適応入院,親子入院,など多岐に渡った。さらに,平時より認める様々な小児疾患に対する通常医療の継続に成功した。一方で,新興感染症流行時の小児受け入れ態勢が事前に十分構築されていたとは言い難い。今後,新たな新興感染症のパンデミックに備え,小児外来・入院診療体制のシミュレーション,小児医療従事者への平時からの継続的な感染予防策スキルアップ教育,他施設との診療連携体制の事前構築などが必要である。
ISSN:0387-2289
2189-0285
DOI:10.14963/stmari.51.S97