関節リウマチの病因
「1. はじめに」関節リウマチの病因研究は, 疾患概念の確立とともに, その後の各時代における生命科学の進展を反映してきた. たとえば, 1912年関節リウマチが慢性局所感染によるとするFrank Billingsが広めた仮説をもとに, 関節リウマチ血清を用いた細菌学的研究が行われたが, その過程でリウマトイド因子による現象が観察されている. 1932年Martin H. Dawsonにより患者血清が多くの種類の細菌浮遊液を凝集させる作用があることを報告し, 1940年Erik Waaler, 1948年Harry M. Roseらにより感作羊赤血球凝集反応が開発されている. 更に感染が原因と...
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Veröffentlicht in: | 聖マリアンナ医科大学雑誌 2018-05, Vol.46 (1), p.1-5 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「1. はじめに」関節リウマチの病因研究は, 疾患概念の確立とともに, その後の各時代における生命科学の進展を反映してきた. たとえば, 1912年関節リウマチが慢性局所感染によるとするFrank Billingsが広めた仮説をもとに, 関節リウマチ血清を用いた細菌学的研究が行われたが, その過程でリウマトイド因子による現象が観察されている. 1932年Martin H. Dawsonにより患者血清が多くの種類の細菌浮遊液を凝集させる作用があることを報告し, 1940年Erik Waaler, 1948年Harry M. Roseらにより感作羊赤血球凝集反応が開発されている. 更に感染が原因とする考えは, 金製剤の使用やサラゾスルファピリジンの開発につながっている. その後も, cortisoneが開発されるや否や関節リウマチへの効果が確認され, 1970年代半ばにはT細胞のHLA拘束性が示されると1978年には関節リウマチとHLAとの関連が明らかになるなど, 科学の進歩とともに自己免疫疾患としての側面も徐々に明らかになった. |
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ISSN: | 0387-2289 |