超音波気管支鏡下針生検 (Endobronchial ultrasound guided transbronchial needle aspiration : EBUS-TBNA) における細胞組織学的診断率の検討

「抄録」近年, 多くの施設で縦隔・肺門リンパ節腫脹症例に対して超音波気管支鏡下針生検(EBUSTBNA)が施行されるようになってきた. 本研究では我々の施設におけるEBUS-TBNAによる細胞組織学的診断の正診率について後方視的に分析, 検討を行った. 対象は当科でEBUS-TBNAが施行された258症例のうち, 経過観察中の31症例を除いた227症例で検討した. 227症例中223症例で確定診断が得られ正診率は98.2%であった. 悪性疾患における組織検体における診断率は95.6%であったのに対して細胞診では86.3%であり, 有意に組織検体の方が良好であった(p < 0.05). さ...

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Veröffentlicht in:聖マリアンナ医科大学雑誌 2016, Vol.43 (4), p.245-252
Hauptverfasser: 井上健男, 栗本典昭, 干川晶弘, 阿座上真哉, 柿沼一隆, 村岡弘海, 岡本真理子, 薄場彩乃, 峯下昌道, 宮澤輝臣
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「抄録」近年, 多くの施設で縦隔・肺門リンパ節腫脹症例に対して超音波気管支鏡下針生検(EBUSTBNA)が施行されるようになってきた. 本研究では我々の施設におけるEBUS-TBNAによる細胞組織学的診断の正診率について後方視的に分析, 検討を行った. 対象は当科でEBUS-TBNAが施行された258症例のうち, 経過観察中の31症例を除いた227症例で検討した. 227症例中223症例で確定診断が得られ正診率は98.2%であった. 悪性疾患における組織検体における診断率は95.6%であったのに対して細胞診では86.3%であり, 有意に組織検体の方が良好であった(p < 0.05). さらに炎症性変化など良性疾患における非特異的な所見を針生検による細胞診で診断するのは非常に困難であった. 本研究ではEBUS-TBNAにおける組織診断の有用性が示唆された.
ISSN:0387-2289