ディスポーザブルバッグ導入による経腸栄養剤投与の経済効果と作業効率の有用性の検討
西部病院では, 栄養部で一括集中調製方式による経腸栄養剤(以下, 栄養剤)の調製及び保管を行い, 病棟へ運搬している. 従来から, 栄養剤は, 栄養部で専用のガラスビンに調製し, 病棟でイルリガートルへ移し替えて患者へ投与していた. しかし, 洗ビン機の老朽化や衛生面への懸念から, ガラスビンとイルリガートルの2つの役割を担う, 使い捨てのディスポーザブルバッグ(以下, バッグ)を導入した. バッグの栄養剤は, 投与チューブの接続のみで患者に投与できるため, 栄養部ではガラスビンの洗浄が, 病棟では移し替え作業とガラスビンの下洗い及び下膳が不要となった. そこで, バッグの導入による経費と作業...
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Veröffentlicht in: | 聖マリアンナ医科大学雑誌 2012-05, Vol.40 (1), p.27-27 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 西部病院では, 栄養部で一括集中調製方式による経腸栄養剤(以下, 栄養剤)の調製及び保管を行い, 病棟へ運搬している. 従来から, 栄養剤は, 栄養部で専用のガラスビンに調製し, 病棟でイルリガートルへ移し替えて患者へ投与していた. しかし, 洗ビン機の老朽化や衛生面への懸念から, ガラスビンとイルリガートルの2つの役割を担う, 使い捨てのディスポーザブルバッグ(以下, バッグ)を導入した. バッグの栄養剤は, 投与チューブの接続のみで患者に投与できるため, 栄養部ではガラスビンの洗浄が, 病棟では移し替え作業とガラスビンの下洗い及び下膳が不要となった. そこで, バッグの導入による経費と作業効率の変化について検討した. 栄養剤の調製を行う栄養士, 及び投与を行う看護師を対象にタイムスタディを実施し, 作業内容, 作業時間及び, 経費(人件費, 電気料金, 水道料金, 容器類と洗剤及び消毒剤費)を算出した. その結果, 年間経費は人件費約-124万円, 電気料金約-1万円, 水道料金約-38万円, 容器類と洗剤及び消毒剤費約-381万円の削減となり, 合計約544万円の削減に繋がった. バッグの導入により, 作業時間は, 栄養部では1日約47分, 看護師は約104分の短縮に繋がり, 他の業務に費やせる時間が増加した. さらに, 作業の簡略化に伴い栄養剤の移し替えが不要となり, より衛生的な作業環境の確保が可能となった. 容器自体も軽量化されたため, 作業者の肉体的負担も軽減された. 患者の個人情報は印字したシールをバッグに貼付して配膳可能となったため, これまでの個人情報の手書きでの転記ミスや誤投与が起こりうるアクシデントリスクの軽減にも繋がり, 軽費や作業効率のみならず, 新たな効果が生まれた. 以上のことより, 作業効率と経済効果の点から, ディスポーザブルバッグを導入することに有用性が見出された. なお, 本研究は, 日本栄養士会雑誌第54巻第6号に実践事例報告として掲載しているため, 論文紹介のみとさせて頂きますが, ご了承下さい. |
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ISSN: | 0387-2289 |