末梢組織細胞を用いた現実的再生医療とその治療戦略 - 幹細胞様細胞から多血小板血漿まで
「はじめに」 体性幹細胞利用による再生医療の始まりは, 骨髄移植による悪性血液疾患の治療に遡る. この骨髄間質細胞移植は移植医療に分類されるが, まぎれもなく造血幹細胞を用いた骨髄再生である. 同種移植である事が移植医療のカテゴリーに入っているに過ぎない. これは当時の医学水準に於いて, 再生医学と言う学問分野が未成熟であった事, 臓器再生と言う概念そのものが希薄であった事にも由来しよう. その後1981年にアメリカのO'Connerらが, 患者の皮膚から培養された表皮細胞シートを用いて広範囲熱傷患者を救命した. 当時のマスコミは, 「test tube skin baby」として取...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 聖マリアンナ医科大学雑誌 2010-11, Vol.38 (2/3), p.175-182 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「はじめに」 体性幹細胞利用による再生医療の始まりは, 骨髄移植による悪性血液疾患の治療に遡る. この骨髄間質細胞移植は移植医療に分類されるが, まぎれもなく造血幹細胞を用いた骨髄再生である. 同種移植である事が移植医療のカテゴリーに入っているに過ぎない. これは当時の医学水準に於いて, 再生医学と言う学問分野が未成熟であった事, 臓器再生と言う概念そのものが希薄であった事にも由来しよう. その後1981年にアメリカのO'Connerらが, 患者の皮膚から培養された表皮細胞シートを用いて広範囲熱傷患者を救命した. 当時のマスコミは, 「test tube skin baby」として取り上げ, 一大センセーションを巻き起こしたが, 遅れる事4年を経て本邦でも1985年当教室の熊谷らによって, 国内で初となる培養表皮移植による広範囲熱傷患者の救命に成功している. これらが恐らく再生医療の実用化に先鞭を付けた最初の事例であると思われる. |
---|---|
ISSN: | 0387-2289 |