急性白血病に対する化学療法の進歩 - これまでの成果と今後の展開

「はじめに」急性骨髄性白血病(acute myelocytic leukemia: AML)および急性リンパ性白血病(acute lymphoblastic leukemia: ALL)の治療は, ここ数年の間の新薬の導入により, また, 造血幹細胞移植(Stem cell transplantation: SCT)の進歩とともに生存期間の延長がみられるようになった. 30数年前には急性白血病と診断されると, 余命6か月といわれたが, 現在では3年半前後の生存期間が得られ, 5年以上の長期生存者が増加し, かつ治癒という言葉が用いられつつある. とりわけ急性前骨髄球性白血病(acute pro...

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Veröffentlicht in:聖マリアンナ医科大学雑誌 2008-10, Vol.36 (5), p.495-507
1. Verfasser: 高橋正知
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」急性骨髄性白血病(acute myelocytic leukemia: AML)および急性リンパ性白血病(acute lymphoblastic leukemia: ALL)の治療は, ここ数年の間の新薬の導入により, また, 造血幹細胞移植(Stem cell transplantation: SCT)の進歩とともに生存期間の延長がみられるようになった. 30数年前には急性白血病と診断されると, 余命6か月といわれたが, 現在では3年半前後の生存期間が得られ, 5年以上の長期生存者が増加し, かつ治癒という言葉が用いられつつある. とりわけ急性前骨髄球性白血病(acute promyelocytic leukemia: APL)における全レチノイン酸(all-trans retinoic acid: ATRA)の導入は, これまでの白血病治療のスタイルを大きく変え, 腫瘍細胞をターゲットにした分子標的治療薬, 例えば, 慢性骨髄性白血病に対するメシル酸イマチニブ(グリベック(R))の開発や固形腫瘍への応用への端緒となった.
ISSN:0387-2289