18q21.3/BCL2転座を伴う非ポジキンリンパ腫の臨床病理学的類似性と予後因子の不均一性
「抄録」B細胞リンパ腫は, 免疫グロブリン(Ig)遺伝子が骨髄におけるV(D)J再構成と胚中心におけるクラススイッチ再構成(class switch recombination)する際に, 染色体転座を獲得する. 18q21.3/BCL2転座は, 骨髄におけるV(D)J再構成の際に起きる染色体・遺伝子変化であり, 濾胞性リンパ腫(FL)と最も頻度の高い病型であるびまん性大細胞Bリンパ腫(DLBCL)で認められる. 我々は, 白血病のようにリンパ腫でも染色体転座により病型分類できる可能性を検討するために, 18q21.3/BCL2転座をもつリンパ腫の細胞形態・病理組織像・免疫形質に加え染色体・遺...
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Veröffentlicht in: | 聖マリアンナ医科大学雑誌 2008, Vol.36 (5), p.417-426 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「抄録」B細胞リンパ腫は, 免疫グロブリン(Ig)遺伝子が骨髄におけるV(D)J再構成と胚中心におけるクラススイッチ再構成(class switch recombination)する際に, 染色体転座を獲得する. 18q21.3/BCL2転座は, 骨髄におけるV(D)J再構成の際に起きる染色体・遺伝子変化であり, 濾胞性リンパ腫(FL)と最も頻度の高い病型であるびまん性大細胞Bリンパ腫(DLBCL)で認められる. 我々は, 白血病のようにリンパ腫でも染色体転座により病型分類できる可能性を検討するために, 18q21.3/BCL2転座をもつリンパ腫の細胞形態・病理組織像・免疫形質に加え染色体・遺伝子異常を自験14例で検討した. リンパ節における腫瘍細胞は, 1~2個の核小体を持つ核が円形ないし類円形の中心芽細胞(centroblast)と核にくびれを持つ中心細胞(centrocyte)が混在しており, 細胞質における顆粒の存在は認めなかった(Papanicolaou染色・Giemsa染色). 免疫表現形質はCD3-, CD10+, CD19+, CD20+, CD56-, CD34-が共通していた. 病理組織像は1例がDLBCLで13例はFLであった. 18q21.3/BCL2転座を持つリンパ腫は細胞・組織像が類似しており, 染色体転座が形態を規定すると考えられたが, 胚中心で起きる3q27/BCL6転座を付加的に持つ例があった. 治療を層別化するために用いられる予後予測モデルは, (改訂)国際予後指標(R-)IPI ((revised) international prognostic index)に比べFLIPI (follicular lymphoma IPI)が有用と考えられたが, 予後は良好から不良まで多様であり, 付加的な染色体・遺伝子変化による影響と考えられた. |
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ISSN: | 0387-2289 |