マウス胚性幹細胞由来血管内皮細胞および壁細胞の分化誘導

「再生医療における血管誘導の必要性」脳梗塞, 心筋梗塞, 脊髄損傷, 筋ジストロフィーをはじめとして, 成体において再生能力の低い組織の損傷やこれらの変性疾患は, 一旦罹患すると不可逆性であり, 当該組織および機能の回復はほぼ不可能である. 近年, 再生医学の分野において, 組織幹細胞または胚性幹(embryonic stem, ES)細胞から神経, 筋など様々な生体の細胞を分化誘導する基礎的検討がなされ, 一部は臨床の現場でも臨床試験または治療として行われつつある. これらの分化誘導された移植組織細胞が宿主組織に確実に生着し, 十分な機能発現をするためには, 宿主組織において移植組織細胞に十...

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Veröffentlicht in:聖マリアンナ医科大学雑誌 2007-06, Vol.35 (3), p.143-149
Hauptverfasser: 黒川真奈絵, 田子玲子, 高田えりか, 奈良和彦, 鈴木登
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「再生医療における血管誘導の必要性」脳梗塞, 心筋梗塞, 脊髄損傷, 筋ジストロフィーをはじめとして, 成体において再生能力の低い組織の損傷やこれらの変性疾患は, 一旦罹患すると不可逆性であり, 当該組織および機能の回復はほぼ不可能である. 近年, 再生医学の分野において, 組織幹細胞または胚性幹(embryonic stem, ES)細胞から神経, 筋など様々な生体の細胞を分化誘導する基礎的検討がなされ, 一部は臨床の現場でも臨床試験または治療として行われつつある. これらの分化誘導された移植組織細胞が宿主組織に確実に生着し, 十分な機能発現をするためには, 宿主組織において移植組織細胞に十分量の血流を供給する血管新生が不可欠である. 実際には, ES細胞から目的の組織細胞への分化誘導を行う場合には同時に血管内皮細胞への分化を伴うことは良く認める. しかし分化誘導を高い効率で行う場合には十分な新生血管が誘導されず, 宿主組織への生着率低下の原因となる.
ISSN:0387-2289