Diphtheria Tetanus Acellular Pertussis Vaccine (DTaP) 接種により誘導されるTh1/Th2反応の測定
「抄録」現在, 本邦で使用されている Diphtheria Tetanus acellular Pertussis vaccine (DTaP) はヒト小児に対して高い臨床効果と安全性が確認されているが, 細胞内寄生菌である百日咳菌の感染防御において重要な細胞性免疫誘導能に関する一定の見解は得られていない. そこで今回我々は, BALB/cマウスの大腿にDTaPを4週間ごとに2回筋肉内接種し, 感作させた脾臓リンパ球に百日咳特異抗原刺激を行い, 培養により分泌される Interferon (IFN)-γ, Interleukin (IL)-2, IL-5, IL-10を測定し, サイトカイン産...
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Veröffentlicht in: | 聖マリアンナ医科大学雑誌 2006-10, Vol.34 (5), p.513-521 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「抄録」現在, 本邦で使用されている Diphtheria Tetanus acellular Pertussis vaccine (DTaP) はヒト小児に対して高い臨床効果と安全性が確認されているが, 細胞内寄生菌である百日咳菌の感染防御において重要な細胞性免疫誘導能に関する一定の見解は得られていない. そこで今回我々は, BALB/cマウスの大腿にDTaPを4週間ごとに2回筋肉内接種し, 感作させた脾臓リンパ球に百日咳特異抗原刺激を行い, 培養により分泌される Interferon (IFN)-γ, Interleukin (IL)-2, IL-5, IL-10を測定し, サイトカイン産生を指標としてリンパ球の免疫応答を検討した. その結果, DTaP抗原刺激した脾臓リンパ球のIFN-γ, IL-2, IL-5, IL-10分泌量は, いずれも対照群(生理食塩水接種群)に比べ, DTaP接種群で有意に増加した. 百日咳感染防御抗原である filamentous hemagglutinin 抗原刺激では, 脾臓リンパ球のIFN-γ, IL-2, IL-5分泌量は両群間で有意差を認めなかったが, IL-10分泌量はDTaP接種群で有意に増加した. pertussis toxin 抗原刺激では, いずれのサイトカインも両群間で有意差を認めなかった. 百日咳感染防御能の獲得には, 不顕性感染や他のワクチン接種の影響も考えられるが, DTaP単独でも液性免疫だけでなく, 細胞性免疫を惹起する能力を保持している可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0387-2289 |