産婦人科領域の腹腔鏡下手術 - 聖マリアンナ医科大学東横病院での検討

「抄録」聖マリアンナ医科大学東横病院産婦人科(以下, 東横病院)おける腹腔鏡下手術の年次別推移, 適応疾患, 術式および合併症について検討した. 1999年1月から2005年7月までの過去6年7ケ月間に施行した腹腔鏡検査と腹腔鏡下手術の506例を対象とした. 年次別推移は, 1999年から2005年までに28例, 47例, 74例, 90例, 110例, 99例, 58例(7月まで)と年々増加していた. 対象疾患は, 卵巣嚢腫311例, 不妊症54例, 子宮外妊娠52例, 子宮筋腫38例であった. 診断的腹腔鏡と手術的腹腔鏡の割合は, それぞれ10%と90%であり, 腹腔鏡下手術は, 卵巣嚢腫...

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Veröffentlicht in:聖マリアンナ医科大学雑誌 2006-06, Vol.34 (3), p.177-182
Hauptverfasser: 栗林靖, 堀越裕史, 近藤俊彦, 石塚文平
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「抄録」聖マリアンナ医科大学東横病院産婦人科(以下, 東横病院)おける腹腔鏡下手術の年次別推移, 適応疾患, 術式および合併症について検討した. 1999年1月から2005年7月までの過去6年7ケ月間に施行した腹腔鏡検査と腹腔鏡下手術の506例を対象とした. 年次別推移は, 1999年から2005年までに28例, 47例, 74例, 90例, 110例, 99例, 58例(7月まで)と年々増加していた. 対象疾患は, 卵巣嚢腫311例, 不妊症54例, 子宮外妊娠52例, 子宮筋腫38例であった. 診断的腹腔鏡と手術的腹腔鏡の割合は, それぞれ10%と90%であり, 腹腔鏡下手術は, 卵巣嚢腫核出術, 子宮外妊娠手術, 子宮筋腫核出術の順であった. 卵巣嚢腫核出術は, 278例と過半数を占め体内腔法と体外腔法はそれぞれ144例と132例であった. また, この278例の卵巣嚢腫核出術のうち13例は妊娠に合併したものであった. 合併症として重篤なものは無く皮下気腫3例と下腹壁動脈損傷2例を認めただけであった. 帝王切開術や筋腫核出術など開腹の既往が7.1%(36例)に存在したが合併症は認めなかった. 腹腔鏡下手術の社会的認知が浸透するにつれ開腹既往例や妊娠例に対しても腹腔鏡下手術の要求がますます強まると思われ, 今後も術者のスキルアップは不可欠であると感じられた.
ISSN:0387-2289