川崎市立学校児童生徒心臓病集団検診にて発見された心室中隔筋性部心室瘤の1例

「抄録」 小児の心室瘤は稀で, 心室中隔筋性部に生じるものは特に少ない. 我々は, 学校心臓検診を契機に発見された心室中隔筋性部心室瘤の1例を経験した. 症例は6歳女児, 川崎市立学校児童生徒心臓病集団検診における心電図検査で, 不完全右脚ブロックを指摘された. 二次検診における胸部X線写真と聴診所見は異常なく, 心電図の再検査で不完全右脚ブロック, V1~V2のR波の減高, および心室期外収縮を指摘された. 心室期外収縮は負荷試験で増加したため, 潜在的な心疾患の可能性を疑われ, 三次検診の目的で当科に紹介となった. 心エコー図検査で, 心室中隔中央部に右室側へ突出した直径約20mmの嚢胞状...

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Veröffentlicht in:聖マリアンナ医科大学雑誌 2005-02, Vol.33 (1), p.53-59
Hauptverfasser: 村野浩太郎, 都築慶光, 有馬正貴, 後藤建次郎, 麻生健太郎, 栗原八千代, 小板橋靖
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「抄録」 小児の心室瘤は稀で, 心室中隔筋性部に生じるものは特に少ない. 我々は, 学校心臓検診を契機に発見された心室中隔筋性部心室瘤の1例を経験した. 症例は6歳女児, 川崎市立学校児童生徒心臓病集団検診における心電図検査で, 不完全右脚ブロックを指摘された. 二次検診における胸部X線写真と聴診所見は異常なく, 心電図の再検査で不完全右脚ブロック, V1~V2のR波の減高, および心室期外収縮を指摘された. 心室期外収縮は負荷試験で増加したため, 潜在的な心疾患の可能性を疑われ, 三次検診の目的で当科に紹介となった. 心エコー図検査で, 心室中隔中央部に右室側へ突出した直径約20mmの嚢胞状エコー像を認め, 突出部分の中隔壁は菲薄化していた. 心筋シンチグラムでは, 突出部分の中隔壁に心筋組織を示す集積像がなかったため, 心室中隔筋性部の先天性心室瘤と診断した. 以上, 学校検診の心電図異常を契機として, 比較的稀な心室中隔筋性部心室瘤の診断に至った1例について報告する.
ISSN:0387-2289