妊娠ラットへのデキサメサゾン投与による, 胎児心臓中のナトリウム利尿ペプチド遺伝子発現の変化
「抄録」今回, 経母体的グルココルチコイドの心臓および循環動態への影響を明らかにするため, デキサメサゾン(以下DEX)を妊娠ラットに投与した際の, 胎児心筋組織と胎盤組織中の心房性ナトリウム利尿ペプチド(以下ANP)と脳性ナトリウム利尿ペプチド(以下BNP)の変化を日齢ごとに検討した. 妊娠17日目の母体Wistarラットと妊娠19, 20日目の母体WistarラットにDEX(1mg/kg/day)を2日間投与(s.c.)後, それぞれ妊娠19日目と妊娠21日目の胎児ラットの心筋組織と胎盤組織, および自然分娩で出生した新生児ラットの, 日齢1と日齢3および日齢5の心筋組織のANP mRNA...
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Veröffentlicht in: | 聖マリアンナ医科大学雑誌 2004-08, Vol.32 (4), p.291-300 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「抄録」今回, 経母体的グルココルチコイドの心臓および循環動態への影響を明らかにするため, デキサメサゾン(以下DEX)を妊娠ラットに投与した際の, 胎児心筋組織と胎盤組織中の心房性ナトリウム利尿ペプチド(以下ANP)と脳性ナトリウム利尿ペプチド(以下BNP)の変化を日齢ごとに検討した. 妊娠17日目の母体Wistarラットと妊娠19, 20日目の母体WistarラットにDEX(1mg/kg/day)を2日間投与(s.c.)後, それぞれ妊娠19日目と妊娠21日目の胎児ラットの心筋組織と胎盤組織, および自然分娩で出生した新生児ラットの, 日齢1と日齢3および日齢5の心筋組織のANP mRNAとBNP mRNAをそれぞれ測定した. 児の心臓中ANP mRNAレベルは妊娠週数ごとに高値を示し, 日齢1をピークに以後経日的に低下を示した. また, DEX投与群の心臓中ANP mRNAレベルは, 対照群に比しいずれの日齢でも有意に高値を示した. 一方, 児の心臓中BNP mRNAレベルは, 対照群とDEX投与群との間に有意差は認められず, また対照群と同様, 妊娠週数あるいは日齢ごとの有意な変化は認められなかった. 同様に, 胎盤中のANP, BNP mRNAレベルもDEX投与と妊娠週数による有意な変化は得られなかった. 以上の結果より, 心臓中ANP mRNA発現は, 出産前後における全身循環動態の変化に適応するために生後1日目に有意に上昇し, その後低下する可能性が示唆された. また出生前にDEXを投与することにより, 心臓でのANP mRNAが増加することが示唆された. |
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ISSN: | 0387-2289 |