強皮症に合併した肺原発MALTリンパ腫患者に対する rituximab による治療
「抄録」【症例】74歳, 女性. 昭和52年, 全身性強皮症(SSc)と診断され, 皮膚の硬化と萎縮および肺線維症が徐々に進行した. 平成13年5月, 右肺下葉に腫瘤が出現, 7月に開胸肺生検および全身検索を行い, 肺原発MALTリンパ腫(extranodal marginal zone B cell lymphoma of MALT type), stage IA と診断した. 化学療法を2コース施行し, minor response (MR) を得た. 以後 predonisolone 単剤投与を続けた. 平成14年1月, 労作時の呼吸苦が出現した. 胸部CTで腫瘤の増大があり, リンパ腫...
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Veröffentlicht in: | 聖マリアンナ医科大学雑誌 2003-10, Vol.31 (5), p.385-391 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「抄録」【症例】74歳, 女性. 昭和52年, 全身性強皮症(SSc)と診断され, 皮膚の硬化と萎縮および肺線維症が徐々に進行した. 平成13年5月, 右肺下葉に腫瘤が出現, 7月に開胸肺生検および全身検索を行い, 肺原発MALTリンパ腫(extranodal marginal zone B cell lymphoma of MALT type), stage IA と診断した. 化学療法を2コース施行し, minor response (MR) を得た. 以後 predonisolone 単剤投与を続けた. 平成14年1月, 労作時の呼吸苦が出現した. 胸部CTで腫瘤の増大があり, リンパ腫の再燃と診断した. 前回の化学療法により全身状態が悪化したこと, リンパ腫細胞がCD20陽性であることから, rituximab 375 mg/m2を4月より, 週1回, 計4回投与した. 治療に伴う合併症として, 治療当日の発熱と胸部違和感を数日間認めた. rituximab 投与で, リンパ腫はMRとなり, 以後1年以上MRを維持している. SScに対する影響は見られなかった. 【考案】慢性関節リウマチなどの膠原病にリンパ腫が合併することは知られているが, SScに肺原発MALTリンパ腫を合併することは極めて稀である. rituximab が B cell を抑制することから, 慢性関節リウマチに対して同剤が有効との報告は多いが, SScに使用した報告はない. 本例は rituximab の投与によりリンパ腫はMRとなり, SScの改善や悪化などの変化は認めなかった. 【結語】SScと肺原発MALTリンパ腫の合併例に rituximab による治療を行なった. リンパ腫はMRとなるも, 強皮症には影響がなかった. |
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ISSN: | 0387-2289 |