脂肪成分が少なく診断困難であった肝血管筋脂肪腫の1例

「抄録」症例は61歳, 男性. 1995年5月, 腹部超音波検査が施行され, 肝外側区域に腫瘤性病変を認めたため, 精査加療目的で1995年6月に当院内科入院. 血液生化学検査では異常値を認めなかった. 各種画像診断で原発性肝細胞癌も否定し得なかったため, 1995年7月に肝外側区域切除術が施行された. 病理組織学的検索においてHMB-45陽性となり肝血管筋脂肪腫(angiomyolipoma; AML)と診断された. AMLは肝臓では比較的稀な良性間葉系腫瘍で, 血管, 平滑筋細胞, 成熟脂肪細胞により構成される. 画像上, 脂肪成分が認められれば診断は比較的容易であるが, 今回, 腫瘍内に...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:聖マリアンナ医科大学雑誌 2003-08, Vol.31 (4), p.279-284
Hauptverfasser: 高橋裕子, 前山史朗, 高木正之, 田所衛, 打越敏之, 高橋泰人, 守屋仁布, 山口晋
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「抄録」症例は61歳, 男性. 1995年5月, 腹部超音波検査が施行され, 肝外側区域に腫瘤性病変を認めたため, 精査加療目的で1995年6月に当院内科入院. 血液生化学検査では異常値を認めなかった. 各種画像診断で原発性肝細胞癌も否定し得なかったため, 1995年7月に肝外側区域切除術が施行された. 病理組織学的検索においてHMB-45陽性となり肝血管筋脂肪腫(angiomyolipoma; AML)と診断された. AMLは肝臓では比較的稀な良性間葉系腫瘍で, 血管, 平滑筋細胞, 成熟脂肪細胞により構成される. 画像上, 脂肪成分が認められれば診断は比較的容易であるが, 今回, 腫瘍内に脂肪成分が少ないため, 術前診断が困難であった症例を経験したので報告する. 「緒言」肝血管筋脂肪腫(angiomyolipoma; AML)は, 血管, 平滑筋細胞, 脂肪細胞の3つの成分で構成される良性の間葉系腫瘍である.
ISSN:0387-2289