『各論』分子高血圧病学における最近の動向 : 腎尿細管Na-K-ATPaseと調節因子について
「I. はじめに」腎臓は体液の恒常性維持, 特に体液量および血清浸透圧の調節において重要な役割を果たしている. 糸球体で濾過された血液は原尿となって尿細管に流入するが, その99%は尿細管で再吸収される. 高等動物の細胞膜は主にリン脂質とコレステロールにより形成されており, 水あるいは水溶性物質である電解質は細胞膜を通過することはできない. そこで尿細管細胞には種々の膜輸送蛋白質がそれぞれ特異的なネフロン分節に発現し, 水と電解質の再吸収に関わっている. 膜輸送蛋白は輸送形態の違いによりチャネルとトランスポーターに分類される. チャネルにはイオンおよび水チャネルがあり, それぞれイオンと水の再...
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Veröffentlicht in: | 聖マリアンナ医科大学雑誌 2001, Vol.29 (5), p.591-598 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. はじめに」腎臓は体液の恒常性維持, 特に体液量および血清浸透圧の調節において重要な役割を果たしている. 糸球体で濾過された血液は原尿となって尿細管に流入するが, その99%は尿細管で再吸収される. 高等動物の細胞膜は主にリン脂質とコレステロールにより形成されており, 水あるいは水溶性物質である電解質は細胞膜を通過することはできない. そこで尿細管細胞には種々の膜輸送蛋白質がそれぞれ特異的なネフロン分節に発現し, 水と電解質の再吸収に関わっている. 膜輸送蛋白は輸送形態の違いによりチャネルとトランスポーターに分類される. チャネルにはイオンおよび水チャネルがあり, それぞれイオンと水の再吸収を司っている. トランスポーターにはキャリアー蛋白あるいはNa-K-ATPaseに代表されるポンプなどが含まれる. Na-K-ATPaseは尿細管細胞の血管側膜に尿細管全体に普遍的に分布しており, Na輸送の中心的な役割を果たしている. |
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ISSN: | 0387-2289 |