ゲノム編集食品安全性確保の取り組み周知と現在の安全性確認手法に関する調査研究

厚生労働省(現在は消費者庁)が運用するゲノム編集技術応用食品等(以下,ゲノム編集食品)の届出制度では事前相談において届出に該当するかの確認が行われ,加えて,食品として安全性の解析が十分に行われたかの確認が行われているが,今後さらなる技術の進歩が見込まれるゲノム編集食品に対して,現在の安全性確認手法は十分であると国民が受容するのかを検討しておく必要がある.そこで,ゲノム編集食品に関する安全性確保の取り組みに関する情報提供媒体を作成し,現在の安全性確保に対する認識や受容を調べるとともに,生命科学分野の研究者から現在の安全性確認手法についての意見を聞くことで課題や今後取り入れるべき新たな視点を見出す...

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Veröffentlicht in:食品衛生学雑誌 2024/08/25, Vol.65(4), pp.89-94
Hauptverfasser: 田口, 千恵, 柴田, 識人, 近藤, 一成
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:厚生労働省(現在は消費者庁)が運用するゲノム編集技術応用食品等(以下,ゲノム編集食品)の届出制度では事前相談において届出に該当するかの確認が行われ,加えて,食品として安全性の解析が十分に行われたかの確認が行われているが,今後さらなる技術の進歩が見込まれるゲノム編集食品に対して,現在の安全性確認手法は十分であると国民が受容するのかを検討しておく必要がある.そこで,ゲノム編集食品に関する安全性確保の取り組みに関する情報提供媒体を作成し,現在の安全性確保に対する認識や受容を調べるとともに,生命科学分野の研究者から現在の安全性確認手法についての意見を聞くことで課題や今後取り入れるべき新たな視点を見出すことを目的とした調査を実施した.その結果,一般消費者の62%,生命科学分野の研究者の68%は安全性が確保されている/必要な確認が行われていると認識し,安全性が確保されていると認識することが受容の向上につながることや,安全性の確認が不十分だと感じた生命科学分野の研究者は第三者の検証がないことを懸念していることが明らかとなった.したがって,ゲノム編集食品に関する国民理解を得るためには,事前相談で行われている安全性確保の取り組みをわかりやすく発信して国民に周知していくことが有用であることが示唆された.
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.65.89