LC-TOF-MSによる植物性自然毒の迅速一斉分析法の確立

有毒植物による食中毒を想定し,LC-TOF-MSを用いた植物性自然毒16成分の迅速一斉分析法を確立した.試料に水–メタノール(1 : 9)およびn-ヘキサンを加え,ホモジナイズ抽出後に遠心分離し,精製操作を行わずにLC-TOF-MSで測定し,モノアイソトピックイオン[M+H]+(m/z)を用いた定性分析および定量分析を行った.カレーを用いた添加回収試験の結果,定性は保持時間±0.2分以内および質量確度5 ppm以下で可能であり,定量は回収率68~142%,併行精度1.4~10.1%であった.また,有毒植物を煮たときの,煮た植物と煮汁中の有毒成分量を測定した結果,有毒成分の煮汁への移行が確認でき...

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Veröffentlicht in:食品衛生学雑誌 2024/02/25, Vol.65(1), pp.7-14
Hauptverfasser: 佐藤, 秀樹, 河野, 嘉了, 田中, 志歩, 常松, 順子, 松永, 美樹, 宮尾, 義浩, 中牟田, 啓子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:有毒植物による食中毒を想定し,LC-TOF-MSを用いた植物性自然毒16成分の迅速一斉分析法を確立した.試料に水–メタノール(1 : 9)およびn-ヘキサンを加え,ホモジナイズ抽出後に遠心分離し,精製操作を行わずにLC-TOF-MSで測定し,モノアイソトピックイオン[M+H]+(m/z)を用いた定性分析および定量分析を行った.カレーを用いた添加回収試験の結果,定性は保持時間±0.2分以内および質量確度5 ppm以下で可能であり,定量は回収率68~142%,併行精度1.4~10.1%であった.また,有毒植物を煮たときの,煮た植物と煮汁中の有毒成分量を測定した結果,有毒成分の煮汁への移行が確認できた.したがって,食中毒が発生した場合,植物が残っていなくても,煮汁が確保できれば有用な分析試料となる可能性がある.
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.65.7