静脈血栓塞栓症患者に対する低用量エドキサバンの有用性

直接作用型経口抗凝固薬(以下DOAC)が広く使用されるようになり,患者の実情に即した適応用量以外の使用も増えている.われわれも一定数で低用量のエドキサバンを選択している.2014年から2019年までに経験した静脈血栓塞栓症は528例であった.経口抗凝固薬の使用が105例,DOACの通常用量が249例,エドキサバン低用量が98例,ワルファリンが78例であった.低用量エドキサバン使用例についてその患者背景と出血性・血栓性の有害事象について検討した.低用量エドキサバン96症例では,中枢型40例/末梢型56例,有症状11例/無症状85例で,低用量での使用理由は出血のリスクが48例,血栓伸展予防目的が4...

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Veröffentlicht in:静脈学 2022/02/17, Vol.33(1), pp.21-27
Hauptverfasser: 遠藤, 佑介, 山本, 尚人, 石川, 諄武, 露木, 肇, 山中, 裕太, 嘉山, 貴文, 矢田, 達朗, 片橋, 一人, 佐野, 真規, 犬塚, 和徳, 竹内, 裕也, 海野, 直樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:直接作用型経口抗凝固薬(以下DOAC)が広く使用されるようになり,患者の実情に即した適応用量以外の使用も増えている.われわれも一定数で低用量のエドキサバンを選択している.2014年から2019年までに経験した静脈血栓塞栓症は528例であった.経口抗凝固薬の使用が105例,DOACの通常用量が249例,エドキサバン低用量が98例,ワルファリンが78例であった.低用量エドキサバン使用例についてその患者背景と出血性・血栓性の有害事象について検討した.低用量エドキサバン96症例では,中枢型40例/末梢型56例,有症状11例/無症状85例で,低用量での使用理由は出血のリスクが48例,血栓伸展予防目的が48例であった.出血リスク症例48例中3例で出血のため抗凝固を中止したが速やかに止血が得られ,再開が可能であった.低用量エドキサバンは抗凝固/治療用量の抗凝固療法以外の選択肢として有用であり,出血リスクが高い症例に対しても有効な治療選択肢といえる.
ISSN:0915-7395
2186-5523
DOI:10.7134/phlebol.21-27