バスキュラーアクセス作成困難例に対する上腕深静脈転位の経験

要約:上腕深静脈は,上腕深動脈に伴走する深部静脈であり,バスキュラーアクセスとして利用されることは稀である.今回われわれは,度重なる内シャントトラブルの症例に対し,発達した上腕深静脈を転位表在化させ,内シャント修復を行った症例を経験したので報告する.症例は59 歳女性.左肘窩で作成された内シャントトラブルに対し複数回の血管内治療が施行されたが,遠隔期にシャント静脈である腋窩近傍の上腕深静脈に留置されたステント部に仮性瘤を形成し,当科へ紹介となった.自己血管での再建を目指し,上腕尺側皮静脈を用いて内シャント修復したのちに,二期的に上腕深静脈の結紮を予定したが不調に終わったため再手術となった.シャ...

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Veröffentlicht in:静脈学 2014, Vol.25(3), pp.350-354
Hauptverfasser: 松本, 春信, 木村, 直行, 伊藤, 智, 由利, 康一, 安達, 晃一, 山口, 敦司, 桂田, 純二郎, 松本, 力雄, 黒田, 徹, 山田, 博文, 安達, 秀雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:要約:上腕深静脈は,上腕深動脈に伴走する深部静脈であり,バスキュラーアクセスとして利用されることは稀である.今回われわれは,度重なる内シャントトラブルの症例に対し,発達した上腕深静脈を転位表在化させ,内シャント修復を行った症例を経験したので報告する.症例は59 歳女性.左肘窩で作成された内シャントトラブルに対し複数回の血管内治療が施行されたが,遠隔期にシャント静脈である腋窩近傍の上腕深静脈に留置されたステント部に仮性瘤を形成し,当科へ紹介となった.自己血管での再建を目指し,上腕尺側皮静脈を用いて内シャント修復したのちに,二期的に上腕深静脈の結紮を予定したが不調に終わったため再手術となった.シャント吻合部を温存し,発達した上腕深静脈を上腕中枢まで遊離し結紮切離後,上腕前面に転位し,上腕静脈と吻合する形でシャントを修復した.術後12 カ月経過するがトラブルなく術後経過は良好である.
ISSN:0915-7395
2186-5523
DOI:10.7134/phlebol.13-29