下腿に全く傷をつけない伏在静脈瘤手術─その工夫と根拠

伏在静脈瘤は硬化療法や高位結紮併用硬化療法では再発が少なくなく,伏在静脈抜去術(ストリッピング)が標準的治療法になる.しかし,古典的なストリッピングでは瘤切除が併用され,瘤切除による術後痛や傷跡が問題になる.また,大・小伏在静脈の全長を抜去すると,伏在神経障害や腓腹神経障害のような不快な合併症が発生する.本稿では伏在静脈を抜去するだけで静脈瘤が縮小・消失することや遺残静脈瘤は硬化療法で対処できること,下腿の伏在静脈を抜去しないで静脈機能の改善に影響を与えずに伏在神経や腓腹神経の障害を回避できることを解説した.さらに,鼠径部1カ所の創でストリッピングができるInvisiGrip® Vein St...

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Veröffentlicht in:静脈学 2011, Vol.22(4), pp.335-340
Hauptverfasser: 西部, 俊哉, 西部, 正泰, 清水, 元良, 伊藤, 直樹, 定延, 直哉, 内山, 裕智, 神谷, 健太郎, 井上, 秀範, 張, 益商, 進藤, 俊哉, 小泉, 淳, 近藤, ゆか, 重松, 宏
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:伏在静脈瘤は硬化療法や高位結紮併用硬化療法では再発が少なくなく,伏在静脈抜去術(ストリッピング)が標準的治療法になる.しかし,古典的なストリッピングでは瘤切除が併用され,瘤切除による術後痛や傷跡が問題になる.また,大・小伏在静脈の全長を抜去すると,伏在神経障害や腓腹神経障害のような不快な合併症が発生する.本稿では伏在静脈を抜去するだけで静脈瘤が縮小・消失することや遺残静脈瘤は硬化療法で対処できること,下腿の伏在静脈を抜去しないで静脈機能の改善に影響を与えずに伏在神経や腓腹神経の障害を回避できることを解説した.さらに,鼠径部1カ所の創でストリッピングができるInvisiGrip® Vein Stripper(LeMaitre Vascular社)を導入することによって下腿に全く傷をつけないストリッピングが可能になったのでその初期成績を報告した.
ISSN:0915-7395
2186-5523
DOI:10.7134/phlebol.22-4-335