無症候性肺塞栓症と上行性血栓性静脈炎を合併した大伏在静脈瘤の1例
症例は76歳女性.数日前から大腿内側に腫瘤が出現したため当院紹介となった.エコー検査で右下肢大伏在静脈瘤を認め全長に血栓が充満し中枢は大腿静脈内まで進展していた.胸部CTと肺血流シンチで多発性に肺塞栓を認めたが症状はなく循環動態も保たれていた.入院ののち回収型下大静脈フィルターを留置し抗凝固療法を開始したが血栓の縮小は得られず5日後に手術を施行した.手術は大伏在静脈を高位で切開し中枢の血栓を除去した後に大伏在静脈のストリッピングを行った.術後CTで鼠径部大腿静脈に血栓を認めフィルターにも血栓がトラップされていたためフィルターは回収せず外来で抗凝固療法を継続し2カ月後に血栓は消失した.表在性血栓...
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Veröffentlicht in: | 静脈学 2010, Vol.21(3), pp.269-275 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は76歳女性.数日前から大腿内側に腫瘤が出現したため当院紹介となった.エコー検査で右下肢大伏在静脈瘤を認め全長に血栓が充満し中枢は大腿静脈内まで進展していた.胸部CTと肺血流シンチで多発性に肺塞栓を認めたが症状はなく循環動態も保たれていた.入院ののち回収型下大静脈フィルターを留置し抗凝固療法を開始したが血栓の縮小は得られず5日後に手術を施行した.手術は大伏在静脈を高位で切開し中枢の血栓を除去した後に大伏在静脈のストリッピングを行った.術後CTで鼠径部大腿静脈に血栓を認めフィルターにも血栓がトラップされていたためフィルターは回収せず外来で抗凝固療法を継続し2カ月後に血栓は消失した.表在性血栓性静脈炎はありふれた疾患であるが伏在静脈本幹に発生し中枢へ進展していくものは上行性血栓性静脈炎と称され深部静脈血栓症や肺塞栓症の原因となりうるため早期の治療開始と肺塞栓の予防が重要である. |
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ISSN: | 0915-7395 2186-5523 |
DOI: | 10.7134/phlebol.21-3-269 |