急性期病院における転倒・転落の発生状況: 入院診療区分で比較した横断研究
【目的】本研究の目的は,急性期病院における入院診療の区分(予定入院・緊急入院)と転倒・転落の関連について 明らかにすることであった。【方法】研究対象は,2021 年4 月1 日から2021 年12 月31 日までにおいて広島市立安佐市民病院に入院した10,778 例とした。インシデント・アクシデント報告ならびに電子カルテ情報から,転倒・転落患者の基本属性,入院診療の区分について後方視的に調査した。年齢は,65 歳未満,65 歳以上75 歳未満,75 歳以上に分けて,それぞれ非高齢者群,前期高齢者群,後期高齢者群とした。予定入院と緊急入院患者の転倒・転落件数について分析した。【結果】予定入院患者...
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Veröffentlicht in: | 日本転倒予防学会誌 2023/03/10, Vol.9(2), pp.3-11 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】本研究の目的は,急性期病院における入院診療の区分(予定入院・緊急入院)と転倒・転落の関連について 明らかにすることであった。【方法】研究対象は,2021 年4 月1 日から2021 年12 月31 日までにおいて広島市立安佐市民病院に入院した10,778 例とした。インシデント・アクシデント報告ならびに電子カルテ情報から,転倒・転落患者の基本属性,入院診療の区分について後方視的に調査した。年齢は,65 歳未満,65 歳以上75 歳未満,75 歳以上に分けて,それぞれ非高齢者群,前期高齢者群,後期高齢者群とした。予定入院と緊急入院患者の転倒・転落件数について分析した。【結果】予定入院患者は6,313 例,緊急入院患者は4,465 例であった。転倒・転落していた患者は314 例(転倒・転落 発生率:2.9 %)であり,そのうち予定入院患者は131 例(転倒・転落発生率:2.1 %),緊急入院患者は183 例(転倒・転落発生率:4.1 %)であった。予定入院患者に対する緊急入院患者の転倒・転落発生の相対リスクは2.0 倍だった。 転倒・転落発生率は,予定入院および緊急入院のどちらにおいても非高齢者群,前期高齢者群,後期高齢者群の順に増加する傾向を認めた。すべての群において,転倒・転落発生率は緊急入院患者の方が予定入院患者よりも高かった。 転倒・転落の相対リスクは,非高齢者群が最も高く3.0 倍,前期高齢者群が2.1 倍,後期高齢者群が1.5 倍であり,順に減少していた。【結論】急性期病院の転倒・転落は,緊急入院患者の方が予定入院患者よりも発生率が高く,入院診療区分と関連し ていることが明らかになった。 |
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ISSN: | 2188-5702 2188-5710 |
DOI: | 10.11335/tentouyobou.9.2_3 |