滝沢中央病院におけるお薬相談室とポリファーマシー外来の連携による転倒予防の取り組み

【目的】お薬相談室とポリファーマシー外来の連携が転倒予防にもたらす効果を明らかにすること。【方法】滝沢中央病院において,2017年1月から2017年3月までにお薬相談室を利用した患者で,1年以内に1回以上の転倒既往があり,1日に10剤以上の内服薬を内服している患者にポリファーマシー外来受診を勧め,転倒予防効果についての調査を行った。お薬相談室の担当薬剤師が,転倒の原因となりうる作用・副作用をきたす内服薬を抽出し,転倒リスクを検討した。薬剤による転倒リスクがある患者で,処方整理の提案に同意した患者に対し,詳しい情報を処方医,かかりつけ医に提供した。お薬相談室の利用から3か月後に,お薬相談室の満足...

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Veröffentlicht in:日本転倒予防学会誌 2018/03/10, Vol.4(3), pp.35-40
Hauptverfasser: 菊地, 大輝, 伊藤, 浩信, 中村, 節子, 山田, 奈穂子, 秋浜, 沙織, 三浦, 陽香里, 高橋, 智弘, 下沖, 収
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】お薬相談室とポリファーマシー外来の連携が転倒予防にもたらす効果を明らかにすること。【方法】滝沢中央病院において,2017年1月から2017年3月までにお薬相談室を利用した患者で,1年以内に1回以上の転倒既往があり,1日に10剤以上の内服薬を内服している患者にポリファーマシー外来受診を勧め,転倒予防効果についての調査を行った。お薬相談室の担当薬剤師が,転倒の原因となりうる作用・副作用をきたす内服薬を抽出し,転倒リスクを検討した。薬剤による転倒リスクがある患者で,処方整理の提案に同意した患者に対し,詳しい情報を処方医,かかりつけ医に提供した。お薬相談室の利用から3か月後に,お薬相談室の満足度に関する質問と,転倒の有無についてのアンケート調査を行った。【結果】対象となったのは4症例だった。全症例が,80歳以上の高齢者で,高血圧症治療薬を内服していた。転倒の原因となる作用・副作用では,眠気・ふらつき・注意力低下,失神・めまいが多い傾向であった。お薬相談室の満足度では,すべての質問で「満足」から「やや満足」であり,お薬相談室は好評であった。特に,「お薬相談室の薬剤師の応対」,「お薬相談室で自分の気持ちを相談することができたか」については,全症例で「満足」という結果であった。全症例がお薬相談室利用から3か月間は転倒することはなく,つまずきやふらつくといった症状も少なくなった。【結論】本研究では症例数が少なく,研究の追跡期間も短いため,統計学的な検討をしていないが,転倒がなくなり,ふらつき,つまずきが少なくなったことから,当院でのお薬相談室とポリファーマシー外来の連携は転倒を予防する可能性が示唆された。
ISSN:2188-5702
2188-5710
DOI:10.11335/tentouyobou.4.3_35