四日市市における地域高齢者の転倒実態~ 2008 年から 2015 年までの 8 年間の救急出動記録より
【目的】本研究は人口 31 万人,高齢化率 24.5% の工業都市にある消防署本部が有する 2008 年から 2015 年までの 8 年間の救急出動記録をもとに,地域在住高齢者の転倒場所,転倒原因,転倒受傷部位を調査し,明らかにすることを目的とした。【方法】救急隊員の記録した救急出動記録より対象者 3,721 名(平均年齢 80.7 ± 7.7 歳)の 1)転倒場所,2)転倒原因,3)受傷部位に関する語句を抽出し分類集計した。得られた集計より「居室」と「道路」のそれぞれについて転倒原因,転倒による受傷部位の 2 項目について比率を算出し,居室群と道路群の 2 群間で 2 項目の比率の差について...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本転倒予防学会誌 2017/06/10, Vol.4(1), pp.43-51 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 【目的】本研究は人口 31 万人,高齢化率 24.5% の工業都市にある消防署本部が有する 2008 年から 2015 年までの 8 年間の救急出動記録をもとに,地域在住高齢者の転倒場所,転倒原因,転倒受傷部位を調査し,明らかにすることを目的とした。【方法】救急隊員の記録した救急出動記録より対象者 3,721 名(平均年齢 80.7 ± 7.7 歳)の 1)転倒場所,2)転倒原因,3)受傷部位に関する語句を抽出し分類集計した。得られた集計より「居室」と「道路」のそれぞれについて転倒原因,転倒による受傷部位の 2 項目について比率を算出し,居室群と道路群の 2 群間で 2 項目の比率の差についてカイ 2 乗検定を用いて有意水準 p < 0.05 で検定した。【結果】転倒場所は総数 3,721 名中,居室内 1,552 名(平均年齢 82.0 ± 7.5 歳),道路上 583 名(平均年齢 78.4 ± 6.8 歳)であった。また,居室内転倒者を男女別にみると男性 480 名(平均年齢 80.1 ± 7.2 歳),女性 1,072 名(平均年齢 82.8± 7.5 歳)であった。 一方,道路上では男性 315 名(平均年齢 77.4 ± 6.6 歳),女性 268 名(平均年齢 79.7 ± 6.9 歳)であった。居室と道路の 2 群で転倒原因,転倒受傷部位の比率を算出した結果,転倒原因に関しては居室群では,「躓き」(24.0%),「ふらつき」(22.4%),「滑り」(20.6%)であった。一方,道路群では「躓き」(44.8%),「ふらつき」(21.5%),「滑り」(10.4%)であった。2 群間で比率の差をカイ 2 乗検定で検定した結果,「滑り」と「躓き」に有意性を認めた(p < 0.01)。「ふらつき」の比率に関しては 2 群間で差はなかった。転倒受傷部位では居室群において頭部(22.4%),上肢(9.7%),腰部(27.5%),下肢(33.5%),不明(6.8%)であった。道路群では頭部(60.7%),上肢(12.5%),腰部(4.9%),下肢(12.1%),不明(9.8%)であり,2 群間での比率の差は有意性を認めた(p < 0.05,p < 0.01)。【結論】居室内では高齢な女性が多く転倒し,受傷部位は下肢,腰部が多かった。一方道路上では男性が多く転倒し,受傷部位は頭部が多いことが明らかになった。 |
---|---|
ISSN: | 2188-5702 2188-5710 |
DOI: | 10.11335/tentouyobou.4.1_43 |