看護師の情動知能に関する研究 - 看護基礎教育課程と年代および経験年数別での検討

「要旨」A大学医学部附属病院看護師を対象に, 基本的属性と「日本版情緒的スキルとコンピテンス質問紙」を用いて, 情動知能を調査した. 一元配置分散分析の結果, 下位尺度別の「情緒の表現と命名」と「情緒の制御と調整」で, 3年制短期大学が4年制大学や3年制看護専門学校よりも有意に高く, 「情緒の表現と命名」で, 看護師の経験年数が16年以上の看護師が16年未満の看護師よりも有意に高かった. 長い臨床経験がある看護師は, 長年の看護実践の中で自己の感情を捉えてコントロールし, どのように表現してケアを行うべきか, 他スタッフと共有し認識しているものと考えられた. 今後は, 情動知能を高める看護基礎...

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Veröffentlicht in:看護総合科学研究会誌 2022-03, Vol.20 (1), p.3-9
Hauptverfasser: 白井佑季, 山口大輔, 上原文恵, 松永保子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」A大学医学部附属病院看護師を対象に, 基本的属性と「日本版情緒的スキルとコンピテンス質問紙」を用いて, 情動知能を調査した. 一元配置分散分析の結果, 下位尺度別の「情緒の表現と命名」と「情緒の制御と調整」で, 3年制短期大学が4年制大学や3年制看護専門学校よりも有意に高く, 「情緒の表現と命名」で, 看護師の経験年数が16年以上の看護師が16年未満の看護師よりも有意に高かった. 長い臨床経験がある看護師は, 長年の看護実践の中で自己の感情を捉えてコントロールし, どのように表現してケアを行うべきか, 他スタッフと共有し認識しているものと考えられた. 今後は, 情動知能を高める看護基礎教育を充実させ, 経験豊富な先輩看護師が, 経験も少なく技術的スキルも未熟である若い看護師に対して, 自らの経験を踏まえた助言やサポートをし, コミュニケーションを十分に取ることで, 情動知能を向上させる必要があると考えられた.
ISSN:1344-381X