脳動脈瘤クリッピングシミュレータの開発

「1. はじめに」脳動脈瘤に対する開頭クリッピング術とは脳動脈瘤の頸を金属性のクリップで挟み脳動脈瘤を閉塞させる手術のことである. これは脳神経外科で広くおこなわれている代表的な手術であり, 高度な診断・戦略・技術を要する. 本手術用に百種類以上の金属クリップが市販・実用されており, 脳神経外科医は, 適切なクリップをどのように, 何個使用するのかを個々の症例に応じて選択しなければならない. 現状ではこれを術前に正確に決定することは極めて困難である. よって手術中に様々なクリップを試行錯誤することになる. しかし, そのため周囲構造物や動脈瘤の損傷のリスクが高くなり, 出血などの致命的な合併症...

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Veröffentlicht in:VR医学 2015/11/10, Vol.13(1), pp.20-26
Hauptverfasser: 庄野, 直之, 金, 太一, 斉藤, 雄介, 斎藤, 季, 斉藤, 延人, 小山, 博史
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」脳動脈瘤に対する開頭クリッピング術とは脳動脈瘤の頸を金属性のクリップで挟み脳動脈瘤を閉塞させる手術のことである. これは脳神経外科で広くおこなわれている代表的な手術であり, 高度な診断・戦略・技術を要する. 本手術用に百種類以上の金属クリップが市販・実用されており, 脳神経外科医は, 適切なクリップをどのように, 何個使用するのかを個々の症例に応じて選択しなければならない. 現状ではこれを術前に正確に決定することは極めて困難である. よって手術中に様々なクリップを試行錯誤することになる. しかし, そのため周囲構造物や動脈瘤の損傷のリスクが高くなり, 出血などの致命的な合併症を来す可能性が高くなる. さらに, 本手術は頭蓋内の狭い範囲で行われることが多く, 脳動脈瘤とそれ以外の組織(骨, 脳, 神経, 血管)との多様な位置関係によって手術ワーキングスペースが限られ, 適切なアプローチやクリップ選択を術前に正確に把握することは困難である.
ISSN:1347-9342
2187-2201
DOI:10.7876/jmvr.13.20