光干渉断層画像診断法によるリアルタイムでの解剖学的形態把握への試み

「1. 緒言」 近年, インプラント治療は歯を喪失した患者における治療のスタンダードとなってきている. インプラント治療が進展する中で, 患者の知識普及や認識向上に伴い, いっそうの安心・安全がインプラント治療に求められている. インプラント治療に付随する多くのリスクの中で, 埋入手術時における解剖学的構造の損傷は治療の成否につながるものであり, 細心の注意が求められる. とくに上顎洞粘膜の穿孔や下顎管の損傷は重篤な問題に繋がることがあり, 慎重な検査が不可欠である. これらのインプラント予定部位の解剖学的形態の把握には通常MDCTやCBCTによる放射線学的診査が用いられているが, 被ばくの問...

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Veröffentlicht in:Journal of Bio-Integration 2017, Vol.7(1), pp.27-31
Hauptverfasser: 川上, 紗和子, 塩田, 真, 今北, 千春, 藤森, 達也, 春日井, 昇平
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. 緒言」 近年, インプラント治療は歯を喪失した患者における治療のスタンダードとなってきている. インプラント治療が進展する中で, 患者の知識普及や認識向上に伴い, いっそうの安心・安全がインプラント治療に求められている. インプラント治療に付随する多くのリスクの中で, 埋入手術時における解剖学的構造の損傷は治療の成否につながるものであり, 細心の注意が求められる. とくに上顎洞粘膜の穿孔や下顎管の損傷は重篤な問題に繋がることがあり, 慎重な検査が不可欠である. これらのインプラント予定部位の解剖学的形態の把握には通常MDCTやCBCTによる放射線学的診査が用いられているが, 被ばくの問題やリアルタイムによる撮影ができないなどの問題が伴っている. 光干渉断層画像(Optical Coherence Tomography, 以下OCT)診断法はリアルタイムでの撮影に加え, 無侵襲, 無被ばくの診断法であり, インプラント治療に大きく利すると考えられる. OCTとは, 近赤外線を用いて光源から出た光を2つの経路に分け, 一方を対象物, もう一方をミラーで反射させ, 双方から反射した光を再び1つにし, 干渉の強さを利用して断面の情報を取得する画像診断法である.
ISSN:2186-2923
2186-2923
DOI:10.32176/biointeg.7.1_27