卓越した剣道女子選手が獲得した得意技に関する実践知: 戦術行為に着目して

「I 緒言」「1. 剣道におけるかけ引きと実践知」剣道は, 相手と対峙し「一本」となる有効打突を取得し合う対人的競技である. 選手は, 勝利するために定められた打突部位を的確に打突するように, また相手から打突されないように攻防を行う(杉江・坂東, 2015). したがって, 球技と同様に「相手の行為に対して自らの行為を調整し, 自らの行為に応じて相手の行為が変わるという『かけ引き』」(會田, 2019, p.79)が勝利を得るために重要となる. しかし, 竹刀が振り上げられてから打突部位に到達するまでの時間は0.3-0.4秒と短く(奥村, 2016), それに加えて相手との間合を詰めたり広げ...

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Veröffentlicht in:体育学研究 2024, Vol.69, pp.139-149
Hauptverfasser: 竹中, 美帆, 會田, 宏, 佐々木, 陽一朗
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I 緒言」「1. 剣道におけるかけ引きと実践知」剣道は, 相手と対峙し「一本」となる有効打突を取得し合う対人的競技である. 選手は, 勝利するために定められた打突部位を的確に打突するように, また相手から打突されないように攻防を行う(杉江・坂東, 2015). したがって, 球技と同様に「相手の行為に対して自らの行為を調整し, 自らの行為に応じて相手の行為が変わるという『かけ引き』」(會田, 2019, p.79)が勝利を得るために重要となる. しかし, 竹刀が振り上げられてから打突部位に到達するまでの時間は0.3-0.4秒と短く(奥村, 2016), それに加えて相手との間合を詰めたり広げたりするかけ引きは, 約10cmの誤差で同相から逆相へ切り替わる(Okumura et al., 2012)ため, 剣道では球技よりもさらに繊細で緻密なかけ引きが要求されると考えられる.
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.23088