幼児における疾走動作の観察的評価と疾走能力との関係

「I 緒言」 子どもの体力・運動能力は1980年代以降低下傾向にあることが指摘されて久しく, なおも喫緊の課題として取り組まねばならないとの認識が持たれている(文部科学省, 2012a, pp.8-12; 日本学術会議, 2017, p.iii; Sugihara et al., 2006). また, 体力・運動能力の低下は, その要因に基本的な動きの未習得があると指摘されており(文部科学省, 2011, p.29; 日本学術会議, 2017, p.iii), 「走る」「跳ぶ」「投げる」といった基本的な動きを子どもの時期に十分習得させることが望まれている(日本学術会議, 2017, p.iii...

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Veröffentlicht in:体育学研究 2022, Vol.67, pp.947-959
Hauptverfasser: 鈴木, 康介, 後藤, 悠太, 欠畑, 岳, 中田, 大貴, 彼末, 一之
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I 緒言」 子どもの体力・運動能力は1980年代以降低下傾向にあることが指摘されて久しく, なおも喫緊の課題として取り組まねばならないとの認識が持たれている(文部科学省, 2012a, pp.8-12; 日本学術会議, 2017, p.iii; Sugihara et al., 2006). また, 体力・運動能力の低下は, その要因に基本的な動きの未習得があると指摘されており(文部科学省, 2011, p.29; 日本学術会議, 2017, p.iii), 「走る」「跳ぶ」「投げる」といった基本的な動きを子どもの時期に十分習得させることが望まれている(日本学術会議, 2017, p.iii). 特に幼児期は様々な動きの基本的なパターンを習得する「動きの多様化」とともに, 無駄な動きや過剰な動きが減少し, 滑らかで合目的的な動きが可能になる「動きの洗練化」が生じる重要な時期である(文部科学省, 2012b, p.49)ことから, この時期の子どもの運動能力をめぐる多様化や洗練化について, 量的変化や質的変化を複合的な観点で評価しながら, 様々な運動について適切に能力向上を図る取り組みが重要となろう.
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.22062