棒高跳におけるポールの曲がりと両グリップの動きとの関係

「I 緒言」棒高跳は棒(以下「ポール」と略す)を用いて跳躍を行い, 跳び越えたバーの高さを競う種目である. 競技で用いられるポールは表面さえ滑らかであれば材質・長さ・太さが任意であり(International Association of Athletics Federations: IAAF, 2017), 現在では大きく曲がるグラスファイバーやカーボン製の弾性ポールが広く普及している. その理由は, ポールが大きく曲がることによってポール下端周りにおける身体・ポール系の慣性モーメントが小さくなるので, ポールが立ちやすくなり(下端周りにポールが垂直になるまで回転しやすくなり), 竹や金属...

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Veröffentlicht in:体育学研究 2020, Vol.65, pp.415-426
Hauptverfasser: 景行, 崇文, 松林, 武生, 浅井, 武, 大山, 卞 圭悟, 木越, 清信
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I 緒言」棒高跳は棒(以下「ポール」と略す)を用いて跳躍を行い, 跳び越えたバーの高さを競う種目である. 競技で用いられるポールは表面さえ滑らかであれば材質・長さ・太さが任意であり(International Association of Athletics Federations: IAAF, 2017), 現在では大きく曲がるグラスファイバーやカーボン製の弾性ポールが広く普及している. その理由は, ポールが大きく曲がることによってポール下端周りにおける身体・ポール系の慣性モーメントが小さくなるので, ポールが立ちやすくなり(下端周りにポールが垂直になるまで回転しやすくなり), 竹や金属製の非弾性ポールと比較して, 競技者はより高い位置を持つことができるためである(Hay, 1993; 木越ほか, 2007). 棒高跳における世界記録の変遷(安田, 1997)を辿ると, 材質の変化により生まれる大きなポールの曲がりによって棒高跳の記録は飛躍的に向上した様子が分かる.
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.19090