円盤投における高い初速度獲得のための動作要因間の因果関係

「V 要約」 本研究の目的は, 日本人男性円盤投競技者を対象として, 高い初速度獲得のための動作要因間の因果関係について, パス解析を用いて検討し, 円盤投の技術指導に資する知見を得ることであった. 61名の男性円盤投競技者を対象に, 3次元動作分析を行い, 算出された初速度, 身体各部位による獲得速度および動作要因の関連を示すパスモデルを設定し, 要因間の因果関係をパス解析によって検討した. 本研究で設定したモデルから, 初速度には腕部, 体幹部および脚部獲得速度の全てが影響を及ぼしていることが示された. また, 体重移動, 重心速度の獲得, 左右下肢の振込動作, 肩および腰の回旋動作, 体...

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Veröffentlicht in:体育学研究 2019/06/17, Vol.64(1), pp.21-36
Hauptverfasser: 前田, 奎, 大山卞, 圭悟, 関, 慶太郎, 水島, 淳, 広瀬, 健一, 尾縣, 貢
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:「V 要約」 本研究の目的は, 日本人男性円盤投競技者を対象として, 高い初速度獲得のための動作要因間の因果関係について, パス解析を用いて検討し, 円盤投の技術指導に資する知見を得ることであった. 61名の男性円盤投競技者を対象に, 3次元動作分析を行い, 算出された初速度, 身体各部位による獲得速度および動作要因の関連を示すパスモデルを設定し, 要因間の因果関係をパス解析によって検討した. 本研究で設定したモデルから, 初速度には腕部, 体幹部および脚部獲得速度の全てが影響を及ぼしていることが示された. また, 体重移動, 重心速度の獲得, 左右下肢の振込動作, 肩および腰の回旋動作, 体幹の捻転および捻り戻し動作, 右膝の速度を高める動作, あるいは左膝の伸展動作が, 直接的, 間接的に身体各部位の獲得速度に影響を与えていることが確認された. さらに, 本研究で設定したモデルに取り上げられた動作要因は, 競技者が投てき動作を開始してから円盤をリリースするまでの時系列に沿った動作要因間の因果関係を示したものであった. 本研究で設定したモデルは, 日本人男性円盤投競技者が, 高い初速度を達成するための投てき動作の因果構造モデルを示しており, 「原因-結果」という関係を踏まえた円盤投の技術指導に活用できると考えられる.
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.18002