「武」の字形研究: 武道・武術文化研究の基礎付け

「I はじめに」日本では, これまで戦争と関わる専門的技術を称する際, 「武芸」, 「武辺」, 「武術」などの言葉が使用され, 近代に至って次第に公的に「武道」が用いられるようになり, 今日の状況を迎えている. 一方, 中国では古くから「技撃」, 「武芸」, 「拳法」, 「国術」などが使用されてきたが, 中華人民共和国成立(1949年10月1日)以降, 政策的に「武術」という用語に統一されている. 「技撃」, 「武芸」, 「拳法」, 「国術」, そして「武術」はそれぞれ違う名称だけれども, その中身はいずれも「戦いの技術」という意味が含まれている. そして中国ではそのような現象を表現する代表的...

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Veröffentlicht in:体育学研究 2018/06/10, Vol.63(1), pp.251-264
1. Verfasser: 劉, 暢
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I はじめに」日本では, これまで戦争と関わる専門的技術を称する際, 「武芸」, 「武辺」, 「武術」などの言葉が使用され, 近代に至って次第に公的に「武道」が用いられるようになり, 今日の状況を迎えている. 一方, 中国では古くから「技撃」, 「武芸」, 「拳法」, 「国術」などが使用されてきたが, 中華人民共和国成立(1949年10月1日)以降, 政策的に「武術」という用語に統一されている. 「技撃」, 「武芸」, 「拳法」, 「国術」, そして「武術」はそれぞれ違う名称だけれども, その中身はいずれも「戦いの技術」という意味が含まれている. そして中国ではそのような現象を表現する代表的な言葉が「武」であった. 2008年から日本の中学校において「武道」が日本の伝統文化性をもつものとして必修化された(文部科学省, 2008). これは戦後に武道が教育現場から排除され, 後にスポーツとして許されて以降の最も大きな政策的進展の1つといえる.
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.17021