宙返り技の動感形態化に関する超越論的静態分析的一考察

「I 問題の所在」スポーツ科学の領域において運動学習の一般理論としてもっとも広く知られているのは, 3つの区分からなるマイネルの学習位相論であろう(マイネル, 1981, pp.374-419). マイネルは運動の学習位相を, 「基礎経過の獲得がみられる運動の粗協調の段階」, 「修正や洗練, 分化といった運動の精協調の段階」, そして「定着と変化条件への適応がみられる運動の安定化の段階」に分け, それぞれの位相に現れる運動経過の特徴を一般化した. 周知の通り, マイネルによる学習位相論は「技術トレーニング」(グロッサー・ノイマイヤー, 2008, p.58)の一般理論構築に大きく貢献している....

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Veröffentlicht in:体育学研究 2018/06/10, Vol.63(1), pp.103-119
Hauptverfasser: 新竹, 優子, 渡辺, 良夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I 問題の所在」スポーツ科学の領域において運動学習の一般理論としてもっとも広く知られているのは, 3つの区分からなるマイネルの学習位相論であろう(マイネル, 1981, pp.374-419). マイネルは運動の学習位相を, 「基礎経過の獲得がみられる運動の粗協調の段階」, 「修正や洗練, 分化といった運動の精協調の段階」, そして「定着と変化条件への適応がみられる運動の安定化の段階」に分け, それぞれの位相に現れる運動経過の特徴を一般化した. 周知の通り, マイネルによる学習位相論は「技術トレーニング」(グロッサー・ノイマイヤー, 2008, p.58)の一般理論構築に大きく貢献している. マイネルの運動学を現象学的立場から批判的に継承発展させた「発生運動学」においては, 意味発生の受動的総合の現象学理論に基づいて, 「まだ原志向にとどまっている受動地平と運動感覚図式化に向かって探りを入れていく受動総合の地平性」をマイネルの位相論に加えた五位相からなる「動感形成位相」(金子, 2005a, pp.64-68)が呈示されている.
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.17087