スポーツ活動中の事故に起因する民事責任をスポーツ団体が負担する可能性:近時のフランスの動向を中心に

「I 研究の目的と展開」「1. 本研究の目的」スポーツ活動の安定的な推進は社会的ニーズとなったといえようが, その実現を図る上での重要な要素の1つとして諏訪(2009)は, スポーツ活動に内在する事故発生リスクのマネジメントを指摘している. 何故ならば, 不幸にして事故が発生した場合, 受傷者には一般的な社会生活を営む上で困難を強いられる可能性が, 他方で受傷させた者や当該スポーツ活動を組織し, 管理し, 監督する者には受傷者の損害を賠償する責任が問われる可能性が生じ, 其々の当事者にスポーツ活動から得られる果実以上の損失をもたらす恐れがあるためである. しかし, 実際にはその責任は抑制的に問...

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Veröffentlicht in:体育学研究 2013, Vol.58(2), pp.637-662
1. Verfasser: 石井, 信輝
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:「I 研究の目的と展開」「1. 本研究の目的」スポーツ活動の安定的な推進は社会的ニーズとなったといえようが, その実現を図る上での重要な要素の1つとして諏訪(2009)は, スポーツ活動に内在する事故発生リスクのマネジメントを指摘している. 何故ならば, 不幸にして事故が発生した場合, 受傷者には一般的な社会生活を営む上で困難を強いられる可能性が, 他方で受傷させた者や当該スポーツ活動を組織し, 管理し, 監督する者には受傷者の損害を賠償する責任が問われる可能性が生じ, 其々の当事者にスポーツ活動から得られる果実以上の損失をもたらす恐れがあるためである. しかし, 実際にはその責任は抑制的に問われてきたといえよう. 何故ならば, 「スポーツは本来, …公的世界とは峻別された私的世界のものとしてその自治に委ねられ」(小笠原, 2005a), 「特にスポーツ事故等において法の介入を消極的にしてきた」(伊藤, 1994)ためである.
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.12083