運動・スポーツ場面における同一視と動機づけの関係

「緒言」定期的な運動やスポーツの実施により心身の健康上さまざまな恩恵が得られることは数多くの研究により報告されているが, わが国における運動習慣者(一回三十分以上の運動を週二回以上実施し, 一年以上継続している者)の割合は, 男性33.3%, 女性27.5%と決して高くはない(厚生労働省, 2008). そのため, 現在, 「健康日本21」などの国家規模の健康増進事業が展開され, 国民の運動・スポーツへの参加が促されている. 一般的に, 運動・スポーツへの参加動機には, 「他者」の存在が大きく関わっている(たとえば, 蔵本・菊池, 2006). 特に, 青少年期においては, 他者への「憧れ(憧...

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Veröffentlicht in:体育学研究 2011, Vol.56(1), pp.215-228
1. Verfasser: 上地, 広昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」定期的な運動やスポーツの実施により心身の健康上さまざまな恩恵が得られることは数多くの研究により報告されているが, わが国における運動習慣者(一回三十分以上の運動を週二回以上実施し, 一年以上継続している者)の割合は, 男性33.3%, 女性27.5%と決して高くはない(厚生労働省, 2008). そのため, 現在, 「健康日本21」などの国家規模の健康増進事業が展開され, 国民の運動・スポーツへの参加が促されている. 一般的に, 運動・スポーツへの参加動機には, 「他者」の存在が大きく関わっている(たとえば, 蔵本・菊池, 2006). 特に, 青少年期においては, 他者への「憧れ(憧憬的要因)」が運動・スポーツへの参加動機づけとしての役割を果たしているという報告もある(谷嶋ほか, 1988). 子どもが, プロスポーツ選手に憧れ, 自身の中に理想自己を形成し, その理想自己に近づくために, 運動・スポーツへ参加する場合などがそれにあたる.
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.10033