片側大腿切断者による対称動作のスプリント走行の可能性について
「I はじめに」下肢切断者のスプリント走行において, 下腿切断者の義足走行では膝機能が残存しているため, 健常者の走行に近い動作での運動遂行が可能である. しかし, 片側大腿切断者の義足走行では, 膝の機能を随意的な屈曲・伸展機能を持たない義足膝継手に依存しているために, 走行の獲得は容易ではないと考えられてきた(Diangero et al.,1989, 佐藤ほか, 1994). また, スプリント走行を獲得した大腿切断者であっても, その走行は義足側と健側の動きが著しく異なる非対称な動作となっている(Mensch and Ellis, 1986; Diangero et al., 1989...
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Veröffentlicht in: | 体育学研究 2010, Vol.55(1), pp.147-155 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I はじめに」下肢切断者のスプリント走行において, 下腿切断者の義足走行では膝機能が残存しているため, 健常者の走行に近い動作での運動遂行が可能である. しかし, 片側大腿切断者の義足走行では, 膝の機能を随意的な屈曲・伸展機能を持たない義足膝継手に依存しているために, 走行の獲得は容易ではないと考えられてきた(Diangero et al.,1989, 佐藤ほか, 1994). また, スプリント走行を獲得した大腿切断者であっても, その走行は義足側と健側の動きが著しく異なる非対称な動作となっている(Mensch and Ellis, 1986; Diangero et al., 1989; Lewis et al., 1996; Buckley, 1999; Burkett et al., 2001, 2003). この非対称な走行動作は, 義足側遊脚前期において屈曲した膝継手が, 接地時に伸展不十分となって生じると思われている膝折れを防ぐために, 膝継手の屈曲抵抗を強く設定して対応すること(臼井ほか, 1997, 1998;長倉, 2001, 2003;高橋ほか, 2003;駒場ほか, 2005)が原因の一つと考えられる. |
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ISSN: | 0484-6710 1881-7718 |
DOI: | 10.5432/jjpehss.09001 |