胃酸逆流症 (GERD) と口腔疾患の関連性の検討: 動物モデルを用いて

咽喉頭酸逆流症 (laryngopharyngeal reflux disease: LPRD) の病態生理の解明を目的に, これまで我々は胃酸逆流モデルラットを用いて咽喉頭および下気道の組織学的変化を検討・報告してきた. 今回, 同じモデルラットの口腔および咽頭における病理組織学的変化を検討した. 術後10週では歯冠の平坦化と歯周組織への炎症細胞浸潤を認めた. また術後20週にはさらに歯牙酸蝕が進行し, エナメル質の溶解と象牙質の露出が観察できた. 歯周組織と舌根部への炎症細胞浸潤も認めた. この結果から慢性的な胃酸逆流は歯牙酸蝕, 歯周炎および舌炎の増悪因子の一つであることが示唆された....

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Veröffentlicht in:口腔・咽頭科 2017/06/10, Vol.30(2), pp.191-195
Hauptverfasser: 島津, 倫太郎, 山本, 美保子, 峯崎, 晃充, 倉富, 勇一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:咽喉頭酸逆流症 (laryngopharyngeal reflux disease: LPRD) の病態生理の解明を目的に, これまで我々は胃酸逆流モデルラットを用いて咽喉頭および下気道の組織学的変化を検討・報告してきた. 今回, 同じモデルラットの口腔および咽頭における病理組織学的変化を検討した. 術後10週では歯冠の平坦化と歯周組織への炎症細胞浸潤を認めた. また術後20週にはさらに歯牙酸蝕が進行し, エナメル質の溶解と象牙質の露出が観察できた. 歯周組織と舌根部への炎症細胞浸潤も認めた. この結果から慢性的な胃酸逆流は歯牙酸蝕, 歯周炎および舌炎の増悪因子の一つであることが示唆された.
ISSN:0917-5105
1884-4316
DOI:10.14821/stomatopharyngology.30.191