ポリグラフ検査研究の最近の動向

過去10年間に,隠匿情報検 (Concealed information test, CIT) と呼ばれる情報検出技術について,幾つかの重要な進歩が見られた。本稿では,2010年以降に見られた自律系CITに関する概念的・理論的・技術的進展について概観する。CITの理論的説明については,従来の定位反応説を発展させたものとして反応分離アプローチが提唱された。CITの妥当性に関しては,伝統的な皮膚伝導度反応測度以外の複数指標について確証された。また,幾つかの研究は,生理的信号の測定・分析の改良に焦点を当てており,日本人研究者が重要な貢献をした。さらに,質問系列内の生理的変動に関する知見をまとめ,その...

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Veröffentlicht in:生理心理学と精神生理学 2022/04/30, Vol.40(1), pp.51-67
Hauptverfasser: 小川, 時洋, 髙橋, 玲央, 常岡, 充子, 渋谷, 友祐
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:過去10年間に,隠匿情報検 (Concealed information test, CIT) と呼ばれる情報検出技術について,幾つかの重要な進歩が見られた。本稿では,2010年以降に見られた自律系CITに関する概念的・理論的・技術的進展について概観する。CITの理論的説明については,従来の定位反応説を発展させたものとして反応分離アプローチが提唱された。CITの妥当性に関しては,伝統的な皮膚伝導度反応測度以外の複数指標について確証された。また,幾つかの研究は,生理的信号の測定・分析の改良に焦点を当てており,日本人研究者が重要な貢献をした。さらに,質問系列内の生理的変動に関する知見をまとめ,その理論的・実践的意義について論じた。最後に,CIT研究における現状の課題と今後の方向性について論じた。日本はCITの研究と実践において独自の地位を占めており,学術的交流の場としての日本生理心理学会はますます重要になると期待される。
ISSN:0289-2405
2185-551X
DOI:10.5674/jjppp.2206si