推論課題における情報の評価の個人差―失敗に対する柔軟性に着目した分析
「1. はじめに」 臨床神経心理学というと, 脳損傷患者や障害児・者を対象とした知覚・認知機能やリハビリテーションの研究が盛んである. しかし, 焦点をもう少し絞って教育臨床という観点から眺めるなら, 学習上の躓き, 例えば学業不振であるとか, それに伴う動機づけの低下に悩む健常の子どもたちへの教育的介入やその効果については, これまで神経心理学的検討が盛んに行われてきたようには思われない. ところが, そのような研究の方向性は, 知識基盤社会を担う人材の育成, 能力の底上げという観点からすると重要課題と言わざるを得ないのである. そこで本稿ではこの点に着目した予備的な取組みを報告する. 「2...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 生理心理学と精神生理学 2008-08, Vol.26 (2), p.80-80 |
---|---|
1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「1. はじめに」 臨床神経心理学というと, 脳損傷患者や障害児・者を対象とした知覚・認知機能やリハビリテーションの研究が盛んである. しかし, 焦点をもう少し絞って教育臨床という観点から眺めるなら, 学習上の躓き, 例えば学業不振であるとか, それに伴う動機づけの低下に悩む健常の子どもたちへの教育的介入やその効果については, これまで神経心理学的検討が盛んに行われてきたようには思われない. ところが, そのような研究の方向性は, 知識基盤社会を担う人材の育成, 能力の底上げという観点からすると重要課題と言わざるを得ないのである. そこで本稿ではこの点に着目した予備的な取組みを報告する. 「2. 認知カウンセリングの効用」 堀野(1993, 市川, 1993所収)によると, 認知カウンセラーは認知クライエントの相談に答える単なる学習指導者ではなく, クライエントがやがては自立した学習者になれるよう援助することを目的としている. |
---|---|
ISSN: | 0289-2405 |