視覚性GO/NO-GO課題におけるエラー関連陰性電位とNO-GO電位のオーバーラップ

本研究では, ERPとEMGを, 2種類の視覚刺激の弁別をするGO/NO-GO課題において記録した.80名の右利きの被験者は, 一方の刺激に対してボタンを押し (GO試行), 他方には押さない (NO-GO試行) ことが求められた.実験の結果, 反応抑制機能と関係するNQGO電位がNO-GO試行において前頭部と中心部で優勢に認められた.エラーが筋レベルで生じたNO-GO試行では, NO-GO電位とそれとは別の陰性ERPが出現し, オーバーラップしていた.そこで, このエラーが生じたNQGO試行におけるEMG潜時, NO-GO電位とは異なる陰性ERPの潜時, および, EMG開始時点に合わせて加...

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Veröffentlicht in:生理心理学と精神生理学 1998/12/31, Vol.16(2), pp.77-84
1. Verfasser: 岩木, 信喜
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究では, ERPとEMGを, 2種類の視覚刺激の弁別をするGO/NO-GO課題において記録した.80名の右利きの被験者は, 一方の刺激に対してボタンを押し (GO試行), 他方には押さない (NO-GO試行) ことが求められた.実験の結果, 反応抑制機能と関係するNQGO電位がNO-GO試行において前頭部と中心部で優勢に認められた.エラーが筋レベルで生じたNO-GO試行では, NO-GO電位とそれとは別の陰性ERPが出現し, オーバーラップしていた.そこで, このエラーが生じたNQGO試行におけるEMG潜時, NO-GO電位とは異なる陰性ERPの潜時, および, EMG開始時点に合わせて加算平均したERPを分析した。その結果, NO-GO電位とは異なる陰性ERPは, エラー関連陰性電位 (ERN) であることが示唆された。また, ERNが反映するエラー検出処理に要する時間が, 被験者の反応の正確性とトレードオフの関係にあることが示唆された。さらに, ERNが他のERPに重畳することを防ぐための方法上の問題について考察した.
ISSN:0289-2405
2185-551X
DOI:10.5674/jjppp1983.16.77