成長の自己物語としての実習記録 - ナラティブの視角から実習記録を読む

「要旨」本稿では, 本学IPEコースの初年度科目「チームワーク入門演習」において学生から提出された実習記録5名分を質的に分析した. その際注目したのは, 学生が自らの「成長」をどのように表現しているか, また, それをどう理解できるかということである. 実習記録のフォーマットは学生に, 自分で立てた目標をどれだけ実現できたか, 自分はどこが成長できたかを問いかけている. それに対して学生は, 記録を数ヶ月にわたって継続的に書くため, 以前に比べて自分はどうなったかについてつねに留意しなければならない. そうすると一連の実習記録は一種の「成長の自己物語」となり, 実際そう読むことができる. ここ...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:茨城県立医療大学紀要 2016-03, Vol.21, p.89-98
Hauptverfasser: 庄司俊之, 加納尚美, 富田美加, 吉良淳子, 滝澤恵美, 齋藤さわ子, 對間博之, 馬場健, 武島玲子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」本稿では, 本学IPEコースの初年度科目「チームワーク入門演習」において学生から提出された実習記録5名分を質的に分析した. その際注目したのは, 学生が自らの「成長」をどのように表現しているか, また, それをどう理解できるかということである. 実習記録のフォーマットは学生に, 自分で立てた目標をどれだけ実現できたか, 自分はどこが成長できたかを問いかけている. それに対して学生は, 記録を数ヶ月にわたって継続的に書くため, 以前に比べて自分はどうなったかについてつねに留意しなければならない. そうすると一連の実習記録は一種の「成長の自己物語」となり, 実際そう読むことができる. ここでは, 従来は患者の語りに注目してきたナラティブ分析の手法を学生の実習記録に応用し, 「成長の自己物語」の多様性を検討した. 研究の目標は実習記録に優劣をつけることではなく, 今後学生に多様な「成長」を促すため, 実習記録の現状を理解するその第一歩を記すことにある.
ISSN:1342-0038