訓練をうけた医療通訳者による通訳変更の種類と頻度

目的  訓練をうけた医療通訳者による通訳変更の実態とその特徴を明らかにすることを目的とした。方法  外国人患者受入れ拠点病院の外来診療で、ブラジル人患者、医師、病院提供の医療通訳者を対象に録音調査した。分析は逐語録上で逐次通訳の元となった発言を一つのセグメントとし、「通訳変更(正確な通訳)」と通訳者が元の発言を変更して訳出した単語やフレーズ「通訳変更あり」を特定してコーディングし、その種類と発生頻度を算出した。「通訳変更あり」は臨床的に「ネガティブ」と「ポジティブ」に分類し、それぞれ「省略」「付加」「言い換え」「自発的発言」の4種類に細分類した。ネガティブのうち「臨床上重大な影響の可能性がある...

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Veröffentlicht in:国際保健医療 2023, Vol.38(4), pp.179-192
Hauptverfasser: 濱井, 妙子, 永田, 文子, 大野, 直子, 西川, 浩昭, 東野, 定律
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的  訓練をうけた医療通訳者による通訳変更の実態とその特徴を明らかにすることを目的とした。方法  外国人患者受入れ拠点病院の外来診療で、ブラジル人患者、医師、病院提供の医療通訳者を対象に録音調査した。分析は逐語録上で逐次通訳の元となった発言を一つのセグメントとし、「通訳変更(正確な通訳)」と通訳者が元の発言を変更して訳出した単語やフレーズ「通訳変更あり」を特定してコーディングし、その種類と発生頻度を算出した。「通訳変更あり」は臨床的に「ネガティブ」と「ポジティブ」に分類し、それぞれ「省略」「付加」「言い換え」「自発的発言」の4種類に細分類した。ネガティブのうち「臨床上重大な影響の可能性がある通訳変更」つまりインシデントの可能性が否定できない通訳変更を特定して検討した。無作為抽出した診療20件を、3名のコーダーが独立してコーディングし、コーダー間信頼性を検討した。結果  分析対象は111診療で、診療一件あたりのセグメント数は平均67.9、14~186の範囲であった。100セグメントあたりの通訳変更数の平均値(標準偏差)は、正確な通訳は46.7(14.3)セグメント、ネガティブまたは影響の合計は46.1(17.9)個、種類別では「省略」27.2(10.3)個、「言い換え」10.4(6.9)個、「付加」6.0(5.0)個、「自発的発言」2.5(2.7)個、「インシデントにつながる可能性が否定できない」が
ISSN:0917-6543
2436-7559
DOI:10.11197/jaih.38.179