「アルマアタ宣言」から40年今、若手医師が国内外で「農村医学」を学ぶ意義

「0) はじめに」「アルマアタ宣言」40周年にあたる今年, 佐久総合病院の元院長・若月俊一博士(1910-2006)の業績をふり返るとき, かかわった世代の方にとって, それは記憶と達成感と自己肯定が重なった「現実」としてあるのでしょう. 一方若月先生を深く知らない外部者にとって, それは美化された「歴史」となります. 私たちは歴史が抱える「正負」の負を糾弾し, 正を称揚することもできます. しかし, それらがないまぜになった「矛盾」こそ, 「日々迷いながら歩む実践者」の眼前にある現実なのではないでしょうか. ゆえに「歴史的現実」をどうとらえるか. 表からみれば, 裏がみえ, 裏からみれば,...

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Veröffentlicht in:国際保健医療 2018/06/20, Vol.33(2), pp.111-116
1. Verfasser: 色平, 哲郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「0) はじめに」「アルマアタ宣言」40周年にあたる今年, 佐久総合病院の元院長・若月俊一博士(1910-2006)の業績をふり返るとき, かかわった世代の方にとって, それは記憶と達成感と自己肯定が重なった「現実」としてあるのでしょう. 一方若月先生を深く知らない外部者にとって, それは美化された「歴史」となります. 私たちは歴史が抱える「正負」の負を糾弾し, 正を称揚することもできます. しかし, それらがないまぜになった「矛盾」こそ, 「日々迷いながら歩む実践者」の眼前にある現実なのではないでしょうか. ゆえに「歴史的現実」をどうとらえるか. 表からみれば, 裏がみえ, 裏からみれば, 表がみえる. そこを, どう把握するのか. 誰も, こういう問いかけをしていないところに, 私は不満を感じます. この思いは, 私なりの現時点での歴史との向き合い方です. 歴史的現実に対し, 「では, 私たちは今をどう生きればいいのか」, この不断の問いかけが大切だと思います.
ISSN:0917-6543
DOI:10.11197/jaih.33.111