ワークショップ3 薬剤師分科会を通してみたマラウイの医療事情

「背景」日本で働いている多くの薬剤師が, 自分と「国際協力」とは無縁だと感じているのではないだろうか. 「国際協力」という言葉は, 薬学部の教育課程において取り上げられることもなく, 日本の薬剤師学会などで「国際協力活動」が報告されることも皆無である. 果たして, 薬剤師が国際協力を行うことは不可能なのだろうか. 筆者は1999年12月からアフリカ大陸南東部の内陸部に位置するマラウイ共和国に青年海外協力隊(以下JOCVとする)の薬剤師隊員として派遣された. マラウイ共和国はザンビア, タンザニア, モザンビークに国境を接し, 面積は北海道と九州をあわせた広さである. 人口は約1200万人で,...

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Veröffentlicht in:国際保健医療 2006-03, Vol.21 (1), p.13-17
1. Verfasser: 木曽正子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「背景」日本で働いている多くの薬剤師が, 自分と「国際協力」とは無縁だと感じているのではないだろうか. 「国際協力」という言葉は, 薬学部の教育課程において取り上げられることもなく, 日本の薬剤師学会などで「国際協力活動」が報告されることも皆無である. 果たして, 薬剤師が国際協力を行うことは不可能なのだろうか. 筆者は1999年12月からアフリカ大陸南東部の内陸部に位置するマラウイ共和国に青年海外協力隊(以下JOCVとする)の薬剤師隊員として派遣された. マラウイ共和国はザンビア, タンザニア, モザンビークに国境を接し, 面積は北海道と九州をあわせた広さである. 人口は約1200万人で, 主な産業はタバコ, 紅茶などの農業である. 国民一人当たりのGNPは170USドルで, 国民の半数近くが1日1ドル以下の生活をしている最貧国の一つである. 5歳未満の子供の死亡率(178/1000)は世界で19番目に悪く, HIV/AIDS(成人の罹患率は14.2%)の影響をもっとも受けている南部アフリカ諸国のひとつでもある1).
ISSN:0917-6543