訪問看護師が捉えた在宅療養を行う薬剤耐性菌検出患者・家族の心理・社会的課題

要旨 目的:薬剤耐性菌を有しながら在宅療養を行う薬剤耐性菌検出患者・家族の心理・社会的課題を明らかにすること. 方法:訪問看護ステーションに勤務する看護師を対象とし,薬剤耐性菌を有し在宅療養を行う患者・家族の心理的反応,社会生活への影響についての認識を半構造化面接により捉え質的記述的内容分析をした. 結果:心理的課題として,【コントロール困難な状況により引き起こされる感情】,【目に見えないがゆえの楽観視】,【答えが出せない問い】,社会的課題として,【差別されたくないという感覚】,【離れて暮らす家族との心理的距離】,【通所・施設サービス利用の制限】が存在するとの認識が明らかになった. 結論:薬剤...

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Veröffentlicht in:日本看護科学会誌 2022, Vol.42, pp.606-613
Hauptverfasser: 秋間 悦子, 谷山 牧, 山下 留理子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨 目的:薬剤耐性菌を有しながら在宅療養を行う薬剤耐性菌検出患者・家族の心理・社会的課題を明らかにすること. 方法:訪問看護ステーションに勤務する看護師を対象とし,薬剤耐性菌を有し在宅療養を行う患者・家族の心理的反応,社会生活への影響についての認識を半構造化面接により捉え質的記述的内容分析をした. 結果:心理的課題として,【コントロール困難な状況により引き起こされる感情】,【目に見えないがゆえの楽観視】,【答えが出せない問い】,社会的課題として,【差別されたくないという感覚】,【離れて暮らす家族との心理的距離】,【通所・施設サービス利用の制限】が存在するとの認識が明らかになった. 結論:薬剤耐性菌検出患者・家族は,コントロール困難な状況において起こる感情や他者から差別をされたくないという感覚を有し,差別や偏見により社会的孤立が懸念され,薬剤耐性菌検出を理由に通所・施設サービス利用が制限されることで,家族の介護負担が増大する状況が示唆された.
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.42.606