看護師の共感特性—非看護師の市民との比較

要旨 目的:1)看護師と非看護師の市民の共感特性を比較し,看護師の共感特性を明らかにする.2)看護師の共感特性を年齢,臨床経験年数,役職の有無で比較することである. 方法:研究デザインは,2時点の横断研究であった.研究Aは全国の国立大学附属病院で働く看護師400名を対象とした.研究Bは非看護師の市民416名を対象とした.分析は,基本属性,対人反応性指標および臨床対人反応性指標を用い,対応のないT検定,重回帰分析,相関分析を行った. 結果:看護師の対人反応性指標の得点は,非看護師の市民と比較して,「共感的関心」と「視点取得」が有意に高く,「個人的苦痛」と「想像性」は有意に低かった.また,看護管理...

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Veröffentlicht in:日本看護科学会誌 2022, Vol.42, pp.437-445
Hauptverfasser: 青木 好美, 日道 俊之, 片山 はるみ
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:要旨 目的:1)看護師と非看護師の市民の共感特性を比較し,看護師の共感特性を明らかにする.2)看護師の共感特性を年齢,臨床経験年数,役職の有無で比較することである. 方法:研究デザインは,2時点の横断研究であった.研究Aは全国の国立大学附属病院で働く看護師400名を対象とした.研究Bは非看護師の市民416名を対象とした.分析は,基本属性,対人反応性指標および臨床対人反応性指標を用い,対応のないT検定,重回帰分析,相関分析を行った. 結果:看護師の対人反応性指標の得点は,非看護師の市民と比較して,「共感的関心」と「視点取得」が有意に高く,「個人的苦痛」と「想像性」は有意に低かった.また,看護管理者の臨床対人反応性指標は,役職が無い看護師と比較して,「看護における視点取得」と「無条件の肯定的関心」が有意に高かった. 結論:本研究は,看護師が「個人的苦痛」と「共感的関心」をそれぞれ区別して認識し,他者を想像する視点での「想像性」を高めることが必要であることを明らかにした.
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.42.437