施設で生活している障がいのある人をわが子にもつ高齢の母親の体験

要旨 目的:施設で生活する障がいのある人をわが子にもつ高齢の母親の体験を明らかにすることである. 方法:母親2人へ半構造化面接を行い,質的記述的に分析した. 結果:これらの母親の【わが子の権利や生活の豊かさを守るよう努める】【わが子のケアの質に伴う心理的負担を感じる】【わが子への地域で質の高い包括的なサービスを望む】【わが子の将来の不安に直面する】【自身と夫の老いに伴う家族全体の変化を案じる】【わが子を託せる人や社会を求める】という6つの体験が明らかになった. 結論:迫るわが子の将来への不安,自身や夫の老い,家族全体の変化など,多重の不安を抱えるこれらの母親に対して,ライフコースを見据えた発達...

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Veröffentlicht in:日本看護科学会誌 2021, Vol.41, pp.423-430
Hauptverfasser: 松澤 明美, 山口 麻衣
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨 目的:施設で生活する障がいのある人をわが子にもつ高齢の母親の体験を明らかにすることである. 方法:母親2人へ半構造化面接を行い,質的記述的に分析した. 結果:これらの母親の【わが子の権利や生活の豊かさを守るよう努める】【わが子のケアの質に伴う心理的負担を感じる】【わが子への地域で質の高い包括的なサービスを望む】【わが子の将来の不安に直面する】【自身と夫の老いに伴う家族全体の変化を案じる】【わが子を託せる人や社会を求める】という6つの体験が明らかになった. 結論:迫るわが子の将来への不安,自身や夫の老い,家族全体の変化など,多重の不安を抱えるこれらの母親に対して,ライフコースを見据えた発達段階に応じた心理的な支援,母親が親としてわが子へしたいと願うことを可能な限り維持しながら,安心してその役割を託せる障がいのある人の権利と生活が守られる質の高いサービス,それを実現しうる人と社会が課題と考えられた.
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.41.423